2.因数分解
2次方程式の3つの解き方
- 平方完成
- 因数分解
- 2次方程式の解の公式
2次方程式の解き方は、主にこの3つだけです。
ついでに、この3つのうち”平方完成”は正直あまり使いません。ということも後でまた説明します。
$x^2-x-6=0$をxについて解きなさい。
この問題を使って3つの解き方をそれぞれ説明していきます。
上の問題であれば、左辺$x^2-x-6$が0になるときのxの値を求めます。
xに3を入れれば、
$$x^2-x-6=3^2-3-6=0$$
になります。これをあてずっぽうではなく計算で解く。
1.平方完成
例題の解き方
$$\begin{align}
x^2-x-6&=(x^2-x)-6\\\\
&=\left\{(x-\frac{1}{2})^2-\frac{1}{4}\right\}-6\\\\
&=(x-\frac{1}{2})^2-\frac{25}{4}
\end{align}$$
$x^2-x-6=(x-\frac{1}{2})^2-\frac{25}{4}$となりました。最初の式に代入して、整理して左辺が2乗のみになるようにします。
$$\begin{align}
x^2-x-6&=0\\\\
(x-\frac{1}{2})^2-\frac{25}{4}&=0\\\\
(x-\frac{1}{2})^2&=\frac{25}{4}
\end{align}$$
ここで2乗を外し、計算して答えを出します。
$$\begin{align}
x-\frac{1}{2}&=\pm \frac{5}{2}\\\\
x&=\frac{1}{2}\pm \frac{5}{2}\\\\
x&=3\quad,\quad -2
\end{align}$$
因数分解でできるときは因数分解の方が早い。
また、2次方程式を解いていてぱっと思いつく人は少ない。
分数が出やすい。
なぜか、他2つと比べて覚えにくい。
もっと詳しく平方完成を説明
ステップ1
$x^2$の前にある数字で$x^2$と$x$の部分をまとめて、$\textcolor{red}{\quad x^2+ax\quad}$
$$-\frac{1}{2}x^2+2x+1=-\frac{1}{2}(x^2-4x)+1$$
$$3x^2+5x-8=3(x^2+\frac{5}{3}x)-8$$
ステップ2
ステップ1で作った$\textcolor{red}{\quad x^2+ax\quad}$の部分に注目します。
$ x^2+ax$を$(x+O)^2$の形にするのですが、$O$の部分に、$\frac{a}{2}$を入れた$(x+\frac{a}{2})^2$このような形にして、式の展開をします。
$x^2-4x$なら、
$$(x-2)^2=x^2-4x+4$$
$x^2+\frac{5}{3}x$なら、
$$(x+\frac{5}{6})^2=x^2+\frac{5}{3}x+\frac{25}{36}$$
ステップ3
ステップ2の展開した後の右辺を$\textcolor{red}{\quad x^2+ax\quad}$この形にするために式を整理する。
$(x-2)^2=x^2-4x+4$なら、両辺$-4$
$$(x-2)^2-4=x^2-4x$$
$(x+\frac{5}{6})^2=x^2+\frac{5}{3}x+\frac{25}{36}$なら、両辺$-\frac{25}{36}$
$$(x+\frac{5}{6})^2-\frac{25}{36}=x^2+\frac{5}{3}x$$
ステップ4
ステップ3の$\textcolor{red}{\quad x^2+ax\quad}$と同じものがステップ1があるので代入する。
$$-\frac{1}{2}(x^2-4x)+1=-\frac{1}{2}\left\{(x-2)^2-4\right\}+1$$
$$3(x^2+\frac{5}{3}x)-8=3\left\{(x+\frac{5}{6})^2-\frac{25}{36}\right\}-8$$
ステップ5
最後に式を整理して、答えを求める。
$-\frac{1}{2}x^2+2x+1=0$なら、
$$\begin{align}
-\frac{1}{2}\left\{(x-2)^2-4\right\}+1&=0\\\\
-\frac{1}{2}(x-2)^2+2+1&=0\\\\
(x-2)^2&=6\\\\
x-2&=\pm\sqrt{6}
\end{align}$$
$$\mathcal{ANS.}\underline{\quad x=2\pm\sqrt{6}}_{//}$$
$3x^2+5x-8=0$なら、
$$\begin{align}
3\left\{(x+\frac{5}{6})^2-\frac{25}{36}\right\}-8&=0\\\\
3(x+\frac{5}{6})^2-\frac{25}{12}-8&=0\\\\
(x+\frac{5}{6})^2&=\frac{121}{36}\\\\
x+\frac{5}{6}&=\pm\frac{11}{6}
\end{align}$$
$$\mathcal{ANS.}\underline{\quad x=1\quad ,\quad-\frac{8}{3}}_{//}$$
平方完成は内容理解が難しいので、追加で見たい方は見て見てください。
2.因数分解
例題の解き方
$$\begin{align}
x^2-x-6&=0\\\\
(x-3)(x+2)&=0
\end{align}$$
$x-3$と、$x-2$をかけ合わせたら0になるということは、どちらかが0になればいいです。”0×いくつ”は必ず0。よって、
$$x-3=0\qquad or \qquad x+2=0$$
$$x=3\quad , \quad -2$$
1番使いやすく途中式が短くなり、すぐに解を求めることができる。
しかし、因数分解のやり方が分からないとできない。
また、因数分解ができない式の場合は使えない。
3.2次方程式の解の公式
$ax^2+bx+c=0$においての解は、
$$x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$$
例題の解き方
$x^2-x-6=0$を$ax^2+bx+c=0$に当てはめると、
$$「a=1\quad,\quad b=-1\quad,\quad c=-6」$$
となり、よって、解の公式に当てはめて、
$$\begin{align}
x&=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\\\
&=\frac{-(-1)\pm\sqrt{(-1)^2-4\cdot 1\cdot (-6)}}{2\cdot 1}\\\\
&=\frac{1\pm 5}{2}\\\\
x&=3\quad , \quad -2
\end{align}$$
絶対に答えを求めることができる。
しかし、毎回毎回これを使用するのはめんどくさい。
因数分解ができる場合は因数分解の方が簡単。
練習問題
$$x=\frac{-(-1)\pm\sqrt{(-1)^2-4\cdot 3\cdot(-5)}}{2\cdot(-1)}$$ $$x=-\frac{1\pm \sqrt{61}}{2}$$
まとめ
- 平方完成
- 因数分解
- 2次方程式の解の公式
であるが基本的には、
因数分解
↓できなければ、
2次方程式の解の公式
の流れ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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