二階線形微分方程式の解き方|疑問の解決

数学

二階線形微分方程式で苦しむ理由に、なぜそうなるのか分からないといったことが多いので理解しづらいという人が多いと思います。

なので、その辺も含め自分が疑問に感じたことを全て説明して、完全に二階線形微分方程式の説明をしようと思います。

  • 二階線形微分方程式の解き方をほとんど知らない方は→目次の【②】
  • 解き方は大体知っているが調べている方は→目次の【①】

種類となぜと思ったことの一覧【方針】

まずは、二階線形微分方程式とは、どんなものなのかについて。

二階線形微分方程式の形

$$y^{\prime\prime}+P(x)y’+Q(x)y=f(x)$$
基本的な形はこの形です。この形から一般解を求めることを「二階線形微分方程式を解く」と言います。

二階線形微分方程式の種類

$$y^{\prime\prime}+P(x)y’+Q(x)y=f(x)$$

非同次形の二階線形微分方程式

$$y^{\prime\prime}+P(x)y’+Q(x)y=0$$

同次形の二階線形微分方程式

二階線形微分方程式に限った話ではありませんが、微分方程式には同次形と非同次形の2つが常に存在しています。

で、同次方程式の一般解が解けないと非同次方程式の一般解を求めることはできません。どちらの解き方も説明しますが、このページでは同次方程式の解き方のみになります。

二階線形微分方程式の非同次形の解き方を知りたい方は、これです。

非同次形の二階線形微分方程式の一般解の求め方(7種類の例題)
同次形二階線形微分方程式の解き方非同次形の種類$$y^{\prime\prime}+P(x)y'+Q(x)y=0$$同次形の二階線形微分方程式$$y^{\prime\prime}+P(x)y'+Q(x)y...

二階線形微分方程式を解き方の3つの疑問【①】

二階線形微分方程式の一般解の解き方を全く知らない人はここは飛ばしてください。

  1. なぜ$\,y=e^{λx}\,$と仮定するのか?
  2. なぜ虚数の解の変形の仕方はあれでいいのか?
  3. なぜ解を2つ用意する必要があるのか?

1.なぜ$\,y=e^{λx}\,$と仮定するのか?

$$y^{\prime\prime}+P(x)y’+Q(x)y=0$$

二階線形微分方程式の一般解を求めるときに、

$$y=e^{λx}$$

と仮定して代入して解きますが、どうしてこのように仮定するのか?。

上の3つの疑問の中で1番知りたいのがこれだと思います。

他の2つについては、「どっちでもいいかな、知らなくても別に」とか思う人もいると思いますが、この疑問は無視できない人が結構多いと思います。

この内容について知りたい方は、これです。

なぜe^λxと仮定して解くのか(仮定しないで解いてみる)微分方程式2階
一階線形微分方程式の解き方二階線形微分方程式について二階線形微分方程式の一般解の解き方において、$$y=e^{λx}$$と仮定して解くことが定石です。しかし、ここで「なぜそんな風...

2.なぜ虚数の解の変形の仕方はあれでいいのか?

$\,y=e^{λx}\,$を代入して、求めた結果。

$$λ=\pm iβ$$

となった場合、

$$y_{1}=\frac{e^{iβx}+e^{-iβx}}{2}=cos\,βx
\\\\y_{2}=\frac{e^{iβx}-e^{-iβx}}{2i}=sin\,βx$$

が2つの解にすることができます。これが解になるのは、なぜ?。

これが2つ目の疑問です。

この内容について知りたい方は、これです。

虚数が解に含まれる時は虚数が含まない解にする必要がある
マクローリン展開についてはそういうものがあるんだと思って読んでください。二階線形微分方程式の一般解が虚数になる二階線形微分方程式$$y^{\prime\prime}+ay'+by=0$$において...

3.なぜ解を2つ用意する必要があるのか?

$\,y=e^{λx}\,$と仮定して、二次方程式の解の公式を用いて解を求めると、$\,λ\,$が1つしか出てこない場合があります。($\,y_{1}=e^{λ_{1}x}\,$の解1つがあるとします。)

しかし、$\,y_{1}=e^{λ_{1}x}\,$の1つの解では、二階線形微分方程式の解を満たすことができません。

つまり、$\,y_{1}=e^{λ_{1}x}\,$とは別にもう1つ解を求める必要があります。なぜ、2つ用意する必要があるのか?

これが3つ目の疑問です。

この内容について知りたい方は、これです。

なぜ解を2つ用意する必要があるのか(二階線形微分方程式)
(1)$e^{3x}\,$の微分が$\,3e^{3x}\,$になること。(2)単純な積分2つの解とはどういうことか例題次の一般解を求めよ。$$y^{\prime\prime}-4y'+3y=0$$...

二階線形微分方程式の解き方(一般的)【②】

今回説明するのは、「同次形の二階線形微分方程式」です。

また、その中でも二階線形微分方程式の基礎となる

$$y^{\prime\prime}+ay’+by=0$$

($a,b\,$は定数)

の一般解の求め方を説明します。

$y^{\prime\prime}+ay’+by=0\,$の一般解の解き方

$$y^{\prime\prime}+3y’-10y=0$$
だったり、
$$\scriptsize{2y^{\prime\prime}-2y’-6=0}$$

$$y^{\prime\prime}-y’-3=0$$
だったりが、$\,y^{\prime\prime}+ay’+by=0\,$の形になります。

解説

$$y=e^{λx}$$

と仮定します。また、これの1回微分と2回微分を求めます。

$$y’=λe^{λx}\quad ,\quad y^{\prime\prime}=λ^2e^{λx}$$

$\textcolor{red}{y^{\prime\prime}+ay’+by=0}\,$に上の$\,y\, ,\,y’\, ,\, y^{\prime\prime}\,$を代入します。


$$e^{λx}\left(λ^2+aλ+b\right)=0$$


$e^{λx}\,>\,0\,$より、

$$λ^2+aλ+b=0$$

二次方程式の解の公式より、

$$λ=\frac{-a\pm \sqrt{a^2-4b}}{2}$$

これにより、最初に$\,y=e^{λx}\,$と仮定しているので、

$$y=e^{\frac{-a\pm \sqrt{a^2-4b}}{2}x}$$


$$y_{1}=e^{\frac{-a+ \sqrt{a^2-4b}}{2}x}\\ y_{2}=e^{\frac{-a- \sqrt{a^2-4b}}{2}x}$$


のようになります。±(プラスマイナス)で解が2つできるので、便宜上$\,y_{1}\,$と$\,y_{2}\,$としています。

よって、基本的には、2つの解を足した$\,y=C_{1}y_{1}+C_{2}y_{2}\,$が一般解になります。($C_{1}\, ,\,C_{2}\,$は積分定数)


$$\textcolor{red}{y=C_{1}e^{\frac{-a+ \sqrt{a^2-4b}}{2}x}+C_{2}e^{\frac{-a- \sqrt{a^2-4b}}{2}x}}$$


基礎的な一般解の形はこれですが、$a^2-4b\,$の条件によってこの後の解き方が変わってきます。

$a^2-4b\,>\,0\,$の場合

例えば、$a=1\, ,\, b=-1$

$$1^2-4\cdot (-1)=5>0$$

このような$\,a^2-4b\,>\,0\,$の場合の一般解は、

$$\textcolor{red}{y=C_{1}e^{\frac{-a+ \sqrt{a^2-4b}}{2}x}+C_{2}e^{\frac{-a- \sqrt{a^2-4b}}{2}x}}$$

となります。工夫は必要ありません。

$a^2-4b\,<\,0\,$の場合

例えば、$a=2\, ,\, b=3$

$$2^2-4\cdot 3=-8<0$$

このような場合、($a^2<4b$)

$$\pm\sqrt{a^2-4b}=\pm\sqrt{4b-a^2}i$$

とします。

$$y_{1}=e^{\frac{-a+ \sqrt{4b-a^2}i}{2}x}\\y_{2}=e^{\frac{-a- \sqrt{4b-a^2}i}{2}x}$$

$α=\frac{-a}{2}\,$と$\,β=\frac{\sqrt{4b-a^2}}{2}\,$としておきます。

$$\begin{align}y_{1}&=e^{(α+iβ)x}=e^{αx}e^{iβx}\\y_{2}&=e^{(α-iβ)x}=e^{αx}e^{-iβx}\end{align}$$

$$y_{3}=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}=e^{αx} cos\,βx\\y_{4}=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}=e^{αx} sin\,βx$$

よって、このような$a^2-4b\,<\,0\,$の場合の一般解は、

$$\textcolor{blue}{y=C_{1}e^{αx} cos\,βx+C_{2}e^{αx} sin\,βx}$$

($C_{1}\, ,\,C_{2}\,$は積分定数)

$a^2-4b\,=\,0\,$の場合

例えば、$a=2\, ,\, b=1$

$$2^2-4\cdot 1=0$$

このような場合、

$$λ=\frac{-a\pm \sqrt{a^2-4b}}{2}=\frac{-a}{2}$$

となります。

$α=\frac{-a}{2}\,$としておきます。

$$y_{1}=e^{αx}$$

今まだ$\,y\,$の解が1つしかありません。よって、もう1つの解を求める必要があります。ここで、

$$y_{2}=e^{αx} z(x)$$

と仮定します。また、これの1回微分と2回微分を求めます。

$$\begin{align}y’&=αe^{αx} z(x)+e^{αx} z'(x)\\
y^{\prime\prime}&=α^2e^{αx} z(x)+2αe^{αx} z'(x)+e^{αx} z^{\prime\prime}(x)\end{align}$$

$\textcolor{red}{y^{\prime\prime}+ay’+by=0}\,$に上の$\,y\, ,\,y’\, ,\, y^{\prime\prime}\,$を代入します。


$$e^{αx}\left\{(2α+a)z'(x)+z^{\prime\prime}(x)\right\}+e^{αx}(α^2+aα+b)=0$$


$λ^2+aλ+b=0\,$と$\,λ=α\,$より$\,\underline{α^2+aα+b=0}\,$と、$2α+a\,$と$\,α=\frac{-a}{2}\,$より$\,\underline{2α+a=0}\,$となります。よって、

$$\begin{align}
z^{\prime\prime}(x)&=0\\
z'(x)&=C_{k}\\
z(x)&=C_{k}x+C_{l}
\end{align}$$

$y_{2}=e^{αx} z(x)\,$と仮定したので、

$$y_{2}=e^{αx}(C_{k}x+C_{l})$$

よって、一般解は2つの解を足した$\,y=C_{m}y_{1}+C_{n}y_{2}\,$になるので、

$$\textcolor{green}{y=C_{1}e^{αx}+C_{2}xe^{αx}}$$

($C_{1}=C_{m}+C_{n}C_{l}\quad ,\quad C_{2}=C_{n}C_{k}\,$であり、積分定数)

練習問題

次の微分方程式の一般解を求めよ。
$$y^{\prime\prime}-4y’+3y=0$$

$y=e^{λx}$と仮定して、1回微分と2回微分を行う。
$y’=λe^{λx}\, ,\,y^{\prime\prime}=λ^2e^{λx}$

$y^{\prime\prime}-4y’+3y=0$に上の$\,y\, ,\,y’\, ,\, y^{\prime\prime}\,$を代入します。

$$e^{λx}(λ^2-4λ+3)=0$$
よって、
$$\begin{align} λ^2-4λ+3&=0\\ λ&=1\, ,\,3 \end{align}$$
なので、
$$y=C_{1}e^x+C_{2}e^{3x}$$
一般解:$y=C_{1}e^x+C_{2}e^{3x}$
   
次の微分方程式の一般解を求めよ。
$$y^{\prime\prime}-4y’+6y=0$$

$y=e^{λx}$と仮定して、1回微分と2回微分を行う。
$y’=λe^{λx}\, ,\,y^{\prime\prime}=λ^2e^{λx}$

$y^{\prime\prime}-4y’+6y=0$に上の$\,y\, ,\,y’\, ,\, y^{\prime\prime}\,$を代入します。

$$e^{λx}(λ^2-4λ+6)=0$$
よって、
$$\begin{align} λ^2-4λ+6&=0\\ λ&=2+\sqrt{2}i\, ,\,2-\sqrt{2}i \end{align}$$
よって、
$$y_{1}=e^{2x}e^{i\sqrt{2}x}\, ,\,y_{2}=e^{2x}e^{-i\sqrt{2}x}$$
なので、
$$\begin{align} y_{3}&=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}=e^{2x}cos\,\sqrt{2}x\\ y_{4}&=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}=e^{2x}sin\,\sqrt{2}x \end{align}$$
よって、
$$y=C_{1}e^{2x}cos\,\sqrt{2}x+C_{2}e^{2x}sin\,\sqrt{2}x$$
一般解:$y=C_{1}e^{2x}cos\,\sqrt{2}x+C_{2}e^{2x}sin\,\sqrt{2}x$
   
次の微分方程式の一般解を求めよ。
$$y^{\prime\prime}+2\sqrt{2}y’+2y=0$$

$y=e^{λx}$と仮定して、1回微分と2回微分を行う。
$y’=λe^{λx}\, ,\,y^{\prime\prime}=λ^2e^{λx}$

$y^{\prime\prime}-4y’+6y=0$に上の$\,y\, ,\,y’\, ,\, y^{\prime\prime}\,$を代入します。

$$e^{λx}(λ^2+2\sqrt{2}λ+2)=0$$
よって、
$$\begin{align} λ^2+2\sqrt{2}λ+2&=0\\ λ&=-\sqrt{2} \end{align}$$
よって、
$$y_{1}=e^{-\sqrt{2}x}$$
なので、解が1つしかないのでもう1つ求める。
$y_{2}=e^{-\sqrt{2}x}z(x)\,$と仮定して、1回微分と2回微分を行う。

$\begin{align}y’&=-\sqrt{2}e^{-\sqrt{2}x} z(x)+e^{-\sqrt{2}x} z'(x)\\ y^{\prime\prime}&=2e^{-\sqrt{2}x} z(x)-2\sqrt{2}e^{-\sqrt{2}x} z'(x)+e^{-\sqrt{2}x} z^{\prime\prime}(x)\end{align}$

$y^{\prime\prime}+2\sqrt{2}y’+2y=0$に代入する。

$$e^{-\sqrt{2}x}\left\{(-2\sqrt{2}+2\sqrt{2})z'(x)+z^{\prime\prime}(x)\right\}+e^{-\sqrt{2}x}\left\{2+2\sqrt{2}\cdot (-\sqrt{2})+2\right\}=0$$
よって、
$$\begin{align} z^{\prime\prime}(x)&=0\\ z(x)&=C_{k}x+C_{l} \end{align}$$
よって、$y_{2}=e^{-\sqrt{2}x}z(x)\,$に代入する。
$$y_{2}=e^{-\sqrt{2}x}(C_{k}x+C_{l})$$
したがって、一般解は、
$$y=C_{1}e^{-\sqrt{2}x}+C_{2}xe^{-\sqrt{2}x}$$
一般解:$y=C_{1}e^{-\sqrt{2}x}+C_{2}xe^{-\sqrt{2}x}$
   

まとめ

二階線形微分方程式の一般解の解き方は、

$$y=e^{λx}$$
と仮定して解きます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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