2階線形微分方程式の解き方(まとめ)

二階線形微分方程式のサムネ大学数学

この記事では、二階線形微分方程式の解き方について解説します。

この微分方程式は、大きく分けて答えが3パターンあるため、3種類の解き方についてそれぞれ例題付きで解説しています。

2階線形微分方程式とは

二階線形微分方程式

$x$のみで表される関数$P(x)$,$Q(x)$,$R(x)$があるとして、

$$\frac{d^{2}y}{dx^{2}}+P(x)\frac{dy}{dx}+Q(x)y=R(x)$$

のような形で表される微分方程式のことを2階線形微分方程式と言います。

また、同じ形として下記のように書かれることもあります。

$$y^{\prime\prime}+P(x)y’+Q(x)y=R(x)$$

そして、2階線形微分方程式は、2種類あります。

  1. $R(x)=0\,$の時:二階線形微分方程式の同次形
  2. $R(x)\neq 0\,$の時:二階線形微分方程式の非同次形

両方の解き方を説明をすると、量がすごく多くなってしまうので、今回は、同次形の解き方のみを説明します。

2階線形微分方程式の解き方

二階同次線形微分方程式の解くポイント

二階線形微分方程式を解くときは、答えを仮定することが大事です。

$$y^{\prime\prime}+P(x)y’+Q(x)y=0\quad \cdots ①$$

二階線形微分方程式があったら、まず下記のように答えを仮定します。

$$y=e^{λx}\cdots\scriptsize{【答え(仮定)】}$$

このように仮定したら、1階微分と2階微分を求めます。

$$y’=λe^{λx},\quad y^{\prime\prime}=λ^{2}e^{λx}$$

ここまで出来たら、仮定して求めたものすべてを、①の式に代入します。

$$λ^{2}e^{λx}+P(x)λe^{λx}+Q(x)e^{λx}=0$$

よって、実際の問題であれば、あとは計算して$λ$を求めます。

上記のだと$P(x)$や$Q(x)$と書いてあるため、「どうやって解くの?」となってしまうと思いますが、例題ではそんなことはないので安心してください。

例題

次の微分方程式を解いてください。

$$y^{\prime\prime}+3y’+2y=0$$

まず、準備として、答えを$y=e^{λx}$と仮定し、$y’=λe^{λx},\quad$ $y^{\prime\prime}=λ^{2}e^{λx}$となることを微分して求めます。

その上で、それぞれを式に代入します。

$$\begin{align} y^{\prime\prime}+3y’+2y&=0\\[7px] λ^{2}e^{λx}+3λe^{λx}+2e^{λx}&=0\\[7px] e^{λx}(λ^{2}+3λ+2)&=0\\[7px] \end{align}$$

$e^{λx}>0$より、($e$の○乗は必ず0より大きくなる。)

$$\begin{align} \color{red}{λ^{2}}&\color{red}{\,+\,3λ+2=0}\\[7px] λ&=\frac{-3\pm\sqrt{3^{2}-4\cdot 2}}{2}\\[7px] &=-1,\,\, -2 \end{align}$$

したがって、それぞれを最初に仮定した$y=e^{λx}$に代入すると、答えが2つできます。

$$\begin{align} y&=e^{-x}\\[1px] y&=e^{-2x} \end{align}$$

そして、最後に2つの解を足して、

$$\color{red}{\underline{y=C_{1}e^{-x}+C_{2}e^{-2x}}_{//}}$$

となったものが正式な答えになります。($C_{1},C_{2}$は積分定数)

積分定数に関しては、付けなきゃいけないものなんだ!という程度に考えてください。

途中、解の公式($λ=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$)を使って$λ$を求めましたが、因数分解でも全然かまいません。

この後は、解の公式において、$λ$が虚数になるとき($b^2-4ac<0$とき)や、$λ$が重解となるとき($b^2-4ac=0$とき)について例題を見ながら解説します。

$λ$(答え)が虚数となる場合について

ポイント

解の公式$λ=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$において、

$$b^2-4ac<0$$

となる場合、$λ$が虚数となります。

しかし、答えが虚数となるのは良くなく、どうにかして実数で表せる形にする必要があります。

例題

次の微分方程式を解いてください。

$$y^{\prime\prime}+4y’+5y=0$$

まず、準備として、答えを$y=e^{λx}$と仮定し、$y’=λe^{λx},\quad$ $y^{\prime\prime}=λ^{2}e^{λx}$となることを微分して求めます。

そして、問題に代入します。

$$\begin{align} y^{\prime\prime}+4y’+5y&=0\\[7px] λ^{2}e^{λx}+4λe^{λx}+5e^{λx}&=0\\[7px] e^{λx}(λ^{2}+4λ+5)&=0 \end{align}$$

$e^{λx}>0$より、

$$\begin{align} λ^{2}&+4λ+5=0\\[7px] λ&=\frac{-4\pm\sqrt{4^2-4\cdot 5}}{2}\\[7px] &=\frac{-4\pm\sqrt{-4}}{2}\\[7px] &=\frac{-4\pm 2i}{2}\\[7px] &=-2\pm i \end{align}$$

したがって、それぞれを最初に仮定した$y=e^{λx}$に代入すると、答えが2つできます。

$$\color{red}{\begin{align} y&=e^{(-2+ i)x}=e^{-2x}e^{ix}\\[7px] y&=e^{(-2- i)x}=e^{-2x}e^{-ix} \end{align}}$$

虚数解を実数解にする

$$\begin{align}y_{1}&=e^{αx}e^{iβx}\\y_{2}&=e^{αx}e^{-iβx}\end{align}$$

上記の$y_{1},\,\,$ $y_{2}$において、

$$\begin{align}y&=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}=e^{αx} cos\,βx\\y&=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}=e^{αx} sin\,βx\end{align}$$

虚数解を実数解にするには、2つを足して$2$で割ることと、2つを引いて$2i$で割ることで求めることができます。

これは、マクローリン展開により成り立っています。

よって、$y=e^{-2x}e^{ix},\quad$ $y=e^{-2x}e^{-ix}$において、

$$\begin{align} y&=\frac{e^{-2x}e^{ix}+e^{-2x}e^{-ix}}{2}=e^{-2x}cos\,x\\[7px] y&=\frac{e^{-2x}e^{ix}-e^{-2x}e^{-ix}}{2i}=e^{-2x}sin\,x \end{align}$$


そして、最後に2つの解を足して、

$$\color{red}{\underline{y=C_{1}e^{-2x}cos\,x+C_{2}e^{-2x}sin\,x}_{//}}$$

となったものが正式な答えになります。($C_{1},C_{2}$は積分定数)

積分定数に関しては、付けなきゃいけないものなんだ!という程度に考えてください。

$λ$(答え)が重解となる場合について

ポイント

解の公式$λ=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$において、

$$b^2-4ac=0$$

となる場合、$λ$が重解となります。

しかし、答えが重解となると$y$の答えが1つしかできず、二階線形微分方程式では必ず$y$を2つ用意する必要があるので、どうにかする必要があります。

例題

次の微分方程式を解いてください。

$$y^{\prime\prime}-6y’+9y=0$$

まず、準備として、答えを$y=e^{λx}$と仮定し、$y’=λe^{λx},\quad$ $y^{\prime\prime}=λ^{2}e^{λx}$となることを微分して求めます。

そして、問題に代入します。

$$\begin{align} y^{\prime\prime}-6y’+9y&=0\\[7px] λ^{2}e^{λx}-6λe^{λx}+9e^{λx}&=0\\[7px] e^{λx}(λ^{2}-6λ+9)&=0 \end{align}$$

$e^{λx}>0$より、

$$\begin{align} λ^{2}&-6λ+9=0\\[7px] λ&=\frac{6\pm\sqrt{(-6)^2-4\cdot 9}}{2}\\[7px] &=\frac{6\pm\sqrt{0}}{2}\\[7px] &=3 \end{align}$$

したがって、最初に仮定した$y=e^{λx}$に代入すると、答えが1つできます。

$$\color{red}{y=e^{3x}}$$

1つの解を2つにする

$$y=e^{αx}$$

上記の$y$において、もう1つの解を、

$$y=e^{αx}z(x)$$

と仮定して、1階微分と2階微分を求め、最初の式に代入しなおして$z(x)$を求めます。

よって、$y=e^{3x}$において、以下のように仮定します。

$$\color{red}{y=e^{3x}z(x)}$$

仮定したら微分します。

$$\begin{align}y’&=3e^{3x}z(x)+e^{3x}z'(x)\\[3px] y^{\prime\prime}&=9e^{3x}z(x)+6e^{3x}z'(x)+e^{3x}z^{\prime\prime}(x)\end{align}$$

そして、問題に代入します。

$$\begin{align}&y^{\prime\prime}-6y’+9y=0\\[7px] &\tiny{9e^{3x}z(x)+6e^{3x}z'(x)+e^{3x}z^{\prime\prime}(x)-6\left\{3e^{3x}z(x)+e^{3x}z'(x)\right\}+9e^{3x}z(x)=0}\\[7px] &\hspace{2.2em} e^{3x}z^{\prime\prime}(x)=0\\[7px] &\hspace{4.8em} z^{\prime\prime}=0\end{align}$$

よって、$z^{\prime\prime}=0$となることが分かりました。

2回微分したら0になるということなので

$$\color{red}{z(x)=ax+b\quad (a,\,\, bは定数)}$$

となります。

したがって、仮定した$y=e^{3x}z(x)$に代入すると、答えが新たにもう1つできます。

$$y=e^{3x}(ax+b)$$

そして、最後に2つの解を足して、

$$\begin{align} y&=ce^{3x}+e^{3x}(ax+b)\\[7px] &=(c+b)e^{3x}+axe^{3x}\\[7px] &=\color{red}{\underline{C_{1}e^{3x}+C_{2}xe^{3x}}_{//}} \end{align}$$

となったものが正式な答えになります。($c,\,C_{1},C_{2}$は積分定数)

積分定数に関しては、付けなきゃいけないものなんだ!という程度に考えてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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