置換積分法の解き方(パターン5つ)

大学数学
基本的な積分

【基本】置換積分法のやり方

$$\displaystyle \int_{}^{}\,f(g(x))g'(x)\,dx$$ のような形になっている場合に、

$t=g(x)\,$とおき、両辺xで微分すると、$\frac{dt}{dx}=g'(x)\,$となるので、
$$\begin{align} \displaystyle \int_{}^{}\,f(g(x))g'(x)\,dx&=\displaystyle \int_{}^{}\,f(t)\,dt\\ &=F(t) \end{align}$$
【補足】:$F(t)\,$は微分したら$\,f(t)\,$になるものとします。

教科書に載っているような説明であればこのようになるのですが、この説明で分かるって人もいれば分からないという人もいると思います。

また、数学の勉強で習得を速くするには、やはり問題を実際に解いてみた方がいいので、ここからは例題を使って説明します。

例題

次の不定積分を求めよ。
$$\displaystyle \int_{}^{}\,x(3x+1)^6\,dx$$

展開して積分することもできますが、相当めんどくさいので置換積分を使って解きます。

どこを置換すればいいのか?

結論から言うと積分するのに邪魔になりそうなものです。

この例で考えると正攻法でいけば、6乗を展開しなければいけないという点が非常にメンドイです。

なので、6乗を展開しなくていいように、$3x+1=t\,$と置換します。

置換するものが決まった後にやること は

問題に含まれているxを全て無くし、tのみにします。このとき、もちろん$\,dx\,$も無くす必要があります。

なので、$\displaystyle \int_{}^{}\,x(3x+1)^6\,dx\,$に含まれていて、

まだ、tに変換できないものは$\,x\,$と$\,dx\,$ですので、$3x+1=t\,$から2つを求めます。

$$x=\frac{t-1}{3}$$

両辺をtで微分すると、

$$\begin{align}
\frac{dx}{dt}&=\frac{1}{3}\\
dx&=\frac{1}{3}dt
\end{align}$$

これで、$\textcolor{red}{x=\frac{t-1}{3}},\quad$ $\textcolor{red}{3x+1=t},\quad$ $\textcolor{red}{dx=\frac{1}{3}dt}\,$であることが分かったので、

$$\begin{align}
\displaystyle \int_{}^{}\,x(3x+1)^6\,dx&= \int_{}^{}\,\frac{t-1}{3}\cdot t^6\cdot \frac{1}{3}dt\\
&=\frac{1}{9} \int_{}^{}\,(t^7-t^6)dt\\
&=\frac{1}{9}\left(\frac{1}{8}t^8-\frac{1}{7}t^7\right)+C\\
&=\frac{1}{9}\cdot\frac{1}{56}t^7(7t-8)+C\\
&=\frac{1}{504}t^7(7t-8)+C
\end{align}$$

最後の方は式を綺麗にしていただけですが、ちゃんと積分できました。

積分できたら最後にtからxにアルファベットを戻します($\,3x+1=t\,$)。

$$\frac{1}{504}t^7(7t-8)+C=\frac{1}{504}(3x+1)^7(21x-1)+C$$

$$\displaystyle \int_{}^{}\,x(3x+1)^6\,dx=\frac{1}{504}(3x+1)^7(21x-1)+C$$

例題2

次の不定積分を求めよ。
$$\displaystyle \int_{}^{}\,2xe^{x^2}\,dx$$

$t=x^2\,$と置換します。

まだ、tに変換できないものは$\,x\,$と$\,dx\,$ですので2つを求めますが、

$dx\,$を求める過程で面白いことが起きます。

$t=x^2\,$をxで微分すると、

$$\begin{align}
\frac{dt}{dx}&=2x\\
dt&=2x\cdot dx
\end{align}$$

$2x\cdot dx\,$って問題になっている積分に含まれているではないかー!

なので、$\,x\,$と$\,dx\,$はいっぺんに$\,t\,$にしてしまいます。

よって、$\textcolor{red}{t=x^2},\quad$ $\textcolor{red}{dt=2x\cdot dx}\,$を使って、


$$\begin{align}
\displaystyle \int_{}^{}\,2xe^{x^2}\,dx&=\int_{}^{}\,e^t\,dt\\
&=e^t+C
\end{align}$$

積分できたら最後にtからxにアルファベットを戻します($\,t=x^2\,$)。

$$e^t+C=e^{x^2}+C$$

$$\displaystyle \int_{}^{}\,2xe^{x^2}\,dx=e^{x^2}+C$$

置換の方法の一覧

例題を用いて置換積分法を説明しましたが、置換のしかたが難しいものも多いです。

置換の仕方の例をできるだけ一覧にして紹介します。

展開するのがめんどい累乗

累乗の中身で置換するとうまくいくことが多いです。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,x(3x+1)^6\,dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=3x+1}\,$と置換する。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,2x(x^2+1)^6\,dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=x^2+1}\,$と置換する。

ルートが含まれる場合(簡単なもの)

ルートの中身を置換する場合

ルートの中身で置換する場合は、$\,dx\,$を作り出したときに、うまくルートのみになる場合です。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,x\sqrt{x^2-1}\,dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=x^2-1}\,$と置換する。

このように置換すると、$t=x^2-1\,$をxで微分すると、

$$\begin{align}
\frac{dt}{dx}&=2x\\
\frac{1}{2}dt&=x\cdot dx
\end{align}$$

となるので、

$$\displaystyle \int_{}^{}\,x\sqrt{x^2-1}\,dx=\displaystyle \int_{}^{}\,\sqrt{t}\cdot \frac{1}{2}dt$$

右側がルートのみになりました。

つまり、ルートの中身を微分した時に、ルートの外側にあるものを含んでいれば、ルートの中で置換します。

上の例だと、$x^2-1\,$を微分したら$\,2x\,$になりもともと外側にあった$\,x\,$を含んでいました。

ルート全体で置換する場合

$\sqrt{x}\,$の場合に多いです。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{\sqrt{x}+x}dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=\sqrt{x}}\,$と置換する。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,(\sqrt{x}-1)dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=\sqrt{x}}\,$と置換する。

三角関数($sin\,x,\quad cos\,x$)を含む

$t=sin\,x,\quad t=cos\,x\,$のように、単体で置換する場合が多いです。

というか、それができるように式変形して使うことが多いです。

$t=sin\,x,\quad t=cos\,x\,$とおくことで、$dt=cos\,x\cdot dx,\quad dt=-sin\,x\cdot dx\,$となり、代入することで綺麗にtで置換できます。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,sin^4x\,cos\,x\,dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=sin\,x}\,$と置換する。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,sin^3x\,dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=cos\,x}\,$と置換する。

下の方は、$sin^3x=(1-cos\,x)sin\,x\,$としてから置換します。

$t=sin\,x,\quad t=cos\,x\,$がダメだったとき

$t=sin\,x,\quad t=cos\,x\,$がダメだったときには、$t=tan\frac{x}{2}\,$とおくとうまくいく場合があります。

$t=tan\frac{x}{2}\,$とおくと、
$sin\,x=\frac{2t}{1+t^2},\quad$ $cos\,x=\frac{1-t^2}{1+t^2},\quad$ $dx=\frac{2}{1+t^2}dt$

これらを使って解きます。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{3sin\,x+4cos\,x}dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=tan\frac{x}{2}}\,$と置換する。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{5sin\,x+4}dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{t=tan\frac{x}{2}}\,$と置換する。

分数の形で$\frac{f'(x)}{f(x)}\,$になっている

置換する必要はないですが実際には置換して解くようなものです。

$$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{f'(x)}{f(x)}dx=log\,|f(x)|+C$$

これ使えば解けます。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{e^x}{e^x+3}dx=log\,(e^x+3)+C$

・$\displaystyle \int_{}^{}\,tan\,x\,dx=-log\,|cos\,x|+C$

下の方は、$tan\,x=\frac{-(cos\,x)’}{cos\,x}\,$としてから解きます。

ルートが含まれる場合(難しいもの)

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{\sqrt{a^2-x^2}}dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{x=a\,sin\,θ}\,$と置換する。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{a^2+x^2}dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{x=a\,tan\,θ}\,$と置換する。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{\sqrt{a^2+x^2}}dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{x=a\,tan\,θ}\,$と置換する。

・$\displaystyle \int_{}^{}\,\sqrt{a^2+x^2}\,dx\,$ $\cdots\cdots \textcolor{red}{x=a\,tan\,θ}\,$と置換した後、もう一度$\,\textcolor{blue}{x=sin\,θ}\,$で置換する。

$\sqrt{x^2+A}\,$を含む積分は、$t=\sqrt{x^2+A},\quad t=x+\sqrt{x^2+A}\,$とおいてもうまくいくことが多いです。

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練習問題

次の不定積分を求めよ。
$$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{e^x-e^{-x}}{e^x+e^{-x}}\,dx$$
$$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{e^x-e^{-x}}{e^x+e^{-x}}\,dx=\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{(e^x+e^{-x})’}{e^x+e^{-x}}\,dx$$ となっていることから、
$$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{(e^x+e^{-x})’}{e^x+e^{-x}}\,dx=log\,(e^x+e^{-x})+C$$
$$log\,(e^x+e^{-x})+C$$
   
次の不定積分を求めよ。
$$\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{\sqrt{x}+x}\,dx$$

$\sqrt{x}=t\,$とおくと、 $x=t^2\,$であり、
$\frac{dx}{dt}=2t\,$より、$dx=2t\cdot dt\,$よって、

$$\begin{align} \displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{\sqrt{x}+x}\,dx&=\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{t+t^2}\cdot 2t\cdot dt\\ &=2\displaystyle \int_{}^{}\,\frac{1}{1+t}dt\\ &=2\,log\,|1+t|+C \end{align}$$ xに戻します($\,t=\sqrt{x}\,$)。
$$2\,log\,|1+t|+C=2\,log\,(1+\sqrt{x})+C$$
$$2\,log\,(1+\sqrt{x})+C$$
   

まとめ

置換積分は問題数もパターンもめちゃ多いので、1つ1つ覚えるより、問題を解きまくって慣れましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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