この記事では、常微分方程式、偏微分方程式、特殊解、一般解といった微分方程式の勉強で出てくる単語について説明します。
その前に、微分方程式について説明します。
微分方程式について
微分方程式とは、下記のような微分を含んだ方程式のことです。
$$\frac{dy}{dx}=3$$
そして、これは方程式なので、方程式を解くことが一般的に問題になります。
上記の微分方程式であれば、xで微分して3になるyの値って何?ってことで答えを$\,y=3x+C\,$と求めます。
常微分方程式と偏微分方程式について
常微分方程式と偏微分方程式の違い
- 常微分方程式
- 偏微分方程式
「1つの変数のみ」で表された関数の微分が含まれた方程式のことです。
例:$y=x^3+x+1$のように$y$が表されるとして、$$\frac{dy}{dx}+y=1$$のような問題があれば、これは常微分方程式です。
「2つ以上の変数」で表された関数の微分(偏微分)が含まれた方程式のことです。
例:$z=x^2+y^2$のように$z$が表されるとして、$$\displaystyle \frac{\partial z}{\partial x} +\displaystyle \frac{\partial z}{\partial y}=0$$<\span>のような問題があれば、これは偏微分方程式です。
これが、常微分方程式と偏微分方程式の違いです。
よって、常微分方程式を解くと、
$$y=f(x)$$
という答えを求めることになります。
そして、偏微分方程式を解くと、
$$z=f(x,y)$$
という答えを求めることになります。
n階常微分方程式
常微分方程式には、1階常微分方程式、2階常微分方程式、3階常微分方程式・・・n階常微分方程式という分類があります。
これは簡単な話で、微分方程式の中の最高階の導関数が、
$\frac{dy}{dx}$がであれば、1階常微分方程式
$\frac{d^2y}{dx^2}$であれば、2階常微分方程式
$\frac{d^3y}{dx^3}$であれば、3階常微分方程式
・・・
$\frac{d^ny}{dx^n}$であれば、n階常微分方程式
なので、下記のような方程式は、
$$\frac{d^2y}{dt^2}=-1$$
これは、2階常微分方程式になります。
n階偏微分方程式
n階常微分方程式と同じです。
$\displaystyle \frac{\partial z}{\partial x} +\displaystyle \frac{\partial z}{\partial y}=0$なら1階偏微分方程式
$\displaystyle \frac{\partial^2 z}{\partial x^2} +\displaystyle \frac{\partial^2 z}{\partial y^2}=0$なら2階偏微分方程式
・・・
$\displaystyle \frac{\partial^n z}{\partial x^n} +\displaystyle \frac{\partial^n z}{\partial y^n}=0$ならn階偏微分方程式
一般解と特殊解(特解)
微分方程式を解くときによく出てくる単語で、「一般解」と「特殊解(特解)」があります。
常微分方程式を1つ例にとって説明します。
問題
次の微分方程式の何でもいいので特殊解1つと一般解を求めてください。
$$\frac{dy}{dx}=3$$
$$\color{red}{\underline{y=3x-1など}_{//}\cdots【特殊解】}$$
$$\color{red}{\underline{y=3x+C\quad(Cは積分定数)}_{//}\cdots【一般解】}$$
微分して$3$になる関数というのは、$y=3x-1$や$y=3x+5$のようにいくつもあり、そのうちのどれか1つを選んだ場合の答えを特殊解と言います。
そして、無限にあるその特殊解を1つにまとめたものが一般解になります。
$C$には、今回であれば、$x$で微分したら、なくなるものが何でも入ります。
途中式
$$\begin{align} \frac{dy}{dx}&=3\\[7px] dy&=3\cdot dx\\[7px] \displaystyle \int_{}^{}1\cdot dy&=\displaystyle \int_{}^{}3\cdot dx\\[7px] y&=3x+C_{//} \end{align}$$
ここで、$x=0$のとき$y=8$みたいな条件があった場合、
$$\begin{align} 3\cdots 0+C&=8\\[7px] C&=8 \end{align}$$
よって、特殊解としては、$y=3x+8$となります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
