媒介変数表示で書かれた関数の微分と接線とグラフの概形

数学
・微分

媒介変数と1階微分と2階微分のやり方

$y=x^3+x\,$などのように、$y\,$が$\,x\,$で表される関数であれば、微分をして求める$\frac{dy}{dx}$や2回微分する$\frac{d^2y}{dx^2}$は簡単に求めることができます。

$$\frac{dy}{dx}=3x^2+1\,,\,\frac{d^2y}{dx^2}=6x$$

しかし、媒介変数表示された関数ではこうも簡単に微分するだけではありません。

ある曲線上にある点が$\,(x,\,y)=(f(t),\,g(t))\,$のように$\,x\,$と$\,y\,$が他の文字の関数で表される媒介変数表示の場合の微分を考えます。

媒介変数表示の微分は基本的に普通の微分と同じように$\frac{dy}{dx}$や$\frac{d^2y}{dx^2}$を求めます。

媒介変数の微分の公式

$\LARGE{\frac{dy}{dx}=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}=\frac{g'(t)}{f'(t)}}$

上の公式で解いた$\scriptsize{\frac{dy}{dx}}$を使って
$\LARGE{\frac{d^2y}{dx^2}=\frac{d}{dx}\left(\frac{dy}{dx}\right)=\frac{\frac{d}{dt}\left(\frac{dy}{dx}\right)}{\frac{dx}{dt}}}$
媒介変数表示されている$\,y\,$は$\,y=g(t)\,$です。これをそのまま$\,y\,$を$\,x\,$で微分すると、左辺は$\frac{dy}{dx}$となりますが、右辺は$\,t\,$の関数なので$\,x\,$では微分できません。なので、$\,t\,$でしか微分できないから、ややこしい公式になっているわけです。

例題

$y\,$が$\,x\,$の関数で、次の関係式が成り立つとき、$\frac{dy}{dx}\,,\,\frac{d^2y}{dx^2}\,$を求めよ。
$$\left\{\array{x=t-sin\,t\\y=1-cos\,t}\right.$$

$$\frac{dx}{dt}=1-cos\,t\,,\,\frac{dy}{dt}=sin\,t$$

よって、

$$\begin{align}
\textcolor{red}{\frac{dy}{dx}}&=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}\\
&=\frac{sin\,t}{1-cos\,t}
\end{align}$$

次に、$\frac{d^2y}{dx^2}$を求めます。

$$\begin{align}
\frac{d}{dt}\left(\frac{dy}{dx}\right)&=\frac{d}{dt}\left(\frac{sin\,t}{1-cos\,t}\right)\\
&=\frac{cos\,t(1-cos\,t)-sin^2t}{(1-cos\,t)^2}\\
&=\frac{cos\,t-1}{(cos\,t-1)^2}\\
&=\frac{1}{cos\,t-1}
\end{align}$$

よって、

$$\begin{align}
\textcolor{red}{\frac{d^2y}{dx^2}}&=\frac{\frac{d}{dt}\left(\frac{dy}{dx}\right)}{\frac{dx}{dt}}\\
&=\frac{\frac{1}{cos\,t-1}}{1-cos\,t}\\
&=\frac{-1}{(cos\,t-1)^2}
\end{align}$$

$$\begin{align} \frac{dy}{dx}&=\frac{sin\,t}{1-cos\,t}\\ \frac{d^2y}{dx^2}&=\frac{-1}{(cos\,t-1)^2} \end{align}$$

媒介変数と接線の求め方

xとyの平面上の関数の接線を求める場合には、媒介変数表示であっても$\frac{dy}{dx}$が接線の傾きになります。

いつも通りですね。

例題2

曲線$\,\left\{\array{x=4cos\,θ\\y=sin\,θ}\right.\,$上の$\,θ=\frac{π}{4}\,$における接線の方程式を求めよ。

まず、$\frac{dy}{dx}$を求めます。

$$\frac{dx}{dθ}=-4sin\,θ\,,\,\frac{dy}{dθ}=cos\,θ$$

よって、

$$\begin{align}
\textcolor{red}{\frac{dy}{dx}}&=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}\\
&=\frac{cos\,θ}{-4sin\,θ}
\end{align}$$

そして、$θ=\frac{π}{4}\,$を代入すると、

$\frac{dy}{dx}=\frac{cos\,\frac{π}{4}}{-4sin\,\frac{π}{4}}=-\frac{1}{4}$

接点の座標は、$\left(4cos\,\frac{π}{4}\,,\,sin\,\frac{π}{4}\right)\,$より、$\left(2\sqrt{2}\,,\,\frac{\sqrt{2}}{2}\right)\,$

よって、接線の方程式は、

$$\begin{align}
y-\frac{\sqrt{2}}{2}&=-\frac{1}{4}\left(x-2\sqrt{2}\right)\\
y&=-\frac{1}{4}x+\sqrt{2}
\end{align}$$

$$y=-\frac{1}{4}x+\sqrt{2}$$

媒介変数表示からグラフの概形を求める

グラフの形を考える際には増減表を考えるのが基本です。

yがxで表された関数であれば増減表は、

$\begin{array}
{|c|ccc|}
\hline x&\cdots&1&\cdots \\
\hline \frac{dy}{dx}&-&0&+ \\
\hline y&↘&-1&↗ \\
\hline
\end{array}$

のように3段で表されますよね。1段目にはxの値、2段目にはyの導関数の符号、そして、3段目にはyのグラフの概形を考える矢印($↗\,,\,↘$)や値を1段目と2段目をもとに書きます。

これに対して媒介変数表示の増減表は、

$\begin{array}
{|c|cccccc|}
\hline t&0&\cdots&\frac{π}{3}&\cdots&\frac{2}{3}π&\cdots&π \\
\hline \frac{dx}{dt}&&+&0&-&-&-& \\
\hline \textcolor{red}{x}&1&→&\frac{3}{2}&←&-\frac{1}{2}&←&-3 \\
\hline \frac{dy}{dt}&&+&+&+&0&-& \\
\hline \textcolor{red}{y}&0&↑&\frac{\sqrt{3}}{2}&↑&\frac{3\sqrt{3}}{2}&↓&0 \\
\hline
\end{array}$

のように5段で表されます。1段目にはtの値、2段目と4段目にはxとyそれぞれの導関数の符号、そして、3段目と5段目にはtの値の変化によるxとyの変化を矢印で表します。

tによってxが変化するのはx軸に沿った平行方向なのでプラスの「→」とマイナスの「←」の矢印で、tによってyが変化するのはy軸に沿った垂直方向なのでプラスの「↑」とマイナスの「↓」の矢印で表します。

グラフはtは無視して3段目と5段目で考えます。

$\begin{array}
{|c|cccccc|}
\hline \textcolor{red}{x}&1&\textcolor{blue}{→}&\frac{3}{2}&\textcolor{blue}{←}&-\frac{1}{2}&\textcolor{blue}{←}&-3 \\
\hline \textcolor{red}{y}&0&\textcolor{blue}{↑}&\frac{\sqrt{3}}{2}&\textcolor{blue}{↑}&\frac{3\sqrt{3}}{2}&\textcolor{blue}{↓}&0 \\
\hline
\end{array}$

xが1からプラス方向「$\textcolor{blue}{→}$」に向かうときにyは0からプラス方向「$\textcolor{blue}{↑}$」に向かっているので点$\,(1,\,0)\,$から右上に向かいます。他の場所も同じようにしていきます。

よって、できたグラフが下のやつ。

左側のやつは増減表をそのまま描いたもので、右のやつがそれをうまい具合に綺麗なグラフになるように描いた増減表における本物の概形です。

実際には、増減表だけでは書けません。もう少し自分で点の座標を調べ、その点も通るように概形を引く必要があります。(例題3)

とこんな風に概形は考えていきます。

例題3

曲線$\,\left\{\array{x=2cos\,θ-cos\,2θ\\y=2sin\,θ-sin\,2θ}\right.\,(0\leqq θ\leqq π)\,$のグラフの概形をかけ。

(補足:上の図と全く同じになります。$t$から$θ$に変わっていること以外)

手始めに増減表に必要な$\frac{dx}{dθ}$と$\frac{dy}{dθ}$を求めます。

$$\frac{dx}{dθ}=-2\,sin\,θ+2\,sin\,2θ$$

2倍角の公式:$sin\,2θ=2\,sin\,θ\,cos\,θ$

$$\begin{align}
-2\,sin\,θ-2\,sin\,2θ&=-2\,sin\,θ+2\cdot 2\,sin\,θ\,cos\,θ\\
&=2\,sin\,θ(2\,cos\,θ-1)
\end{align}$$

よって、$\frac{dx}{dθ}=2\,sin\,θ(2\,cos\,θ-1)$
$\frac{dx}{dθ}=0\,$となるのは、$sin\,θ=0\,$または、$cos\,θ=\frac{1}{2}\,$より、

$$θ=0,\,π,\,\frac{π}{3}$$

$$\frac{dy}{dθ}=2\,cos\,θ-2\,cos\,2θ$$

2倍角の公式:$cos\,2θ=2\,cos^2θ-1$

$$\begin{align}
2\,cos\,θ-2\,cos\,2θ&=2\,cos\,θ-2(2cos^2θ-1)\\
&=-2(2\,cos^2θ-cos\,θ-1)\\
&=-2(cos\,θ-1)(2\,cos\,θ+1)
\end{align}$$

よって、$\frac{dy}{dθ}=-2(cos\,θ-1)(2\,cos\,θ+1)$
$\frac{dy}{dθ}=0\,$となるのは、$cos\,θ=1\,$または、$cos\,θ=-\frac{1}{2}\,$より、

$$θ=0,\,\frac{2}{3}π$$

したがって増減表は、

$\begin{array}
{|c|cccccc|}
\hline θ&0&\cdots&\frac{π}{3}&\cdots&\frac{2}{3}π&\cdots&π \\
\hline \frac{dx}{dθ}&&+&0&-&-&-& \\
\hline \textcolor{red}{x}&1&→&\frac{3}{2}&←&-\frac{1}{2}&←&-3 \\
\hline \frac{dy}{dθ}&&+&+&+&0&-& \\
\hline \textcolor{red}{y}&0&↑&\frac{\sqrt{3}}{2}&↑&\frac{3\sqrt{3}}{2}&↓&0 \\
\hline
\end{array}$

また、

$θ=\frac{π}{4}\,$のとき、$(x,\,y)=(\sqrt{2},\,\sqrt{2}-1)$
$θ=\frac{π}{2}\,$のとき、$(x,\,y)=(1,\,2)$
$θ=\frac{3}{4}π\,$のとき、$(x,\,y)=(\sqrt{2},\,\sqrt{2}+1)$

この3つを選んだ理由は求めやすいから。あとは、増減表の1段目の3つある$\cdots$のそれぞれに含まれているから。

よって、増減表とこれらの点からグラフの概形を考えると、

練習問題

$y\,$が$\,x\,$の関数で、次の関係式が成り立つとき、$\frac{dy}{dx}\,,\,\frac{d^2y}{dx^2}\,$を求めよ。
$$\left\{\array{x=e^t+e^{-t}\\y=e^t-e^{-t}}\right.$$
$$\frac{dx}{dt}=e^t-e^{-t}\,,\,\frac{dy}{dt}=e^t+e^{-t}$$ よって、
$$\begin{align} \frac{dy}{dx}&=\frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}\\ &=\frac{e^t+e^{-t}}{e^t-e^{-t}} \end{align}$$ 次
$$\begin{align} \frac{d}{dt}\left(\frac{dy}{dx}\right)&=\frac{d}{dt}\left(\frac{e^t+e^{-t}}{e^t-e^{-t}}\right)\\ &=\frac{(e^t-e^{-t})(e^t-e^{-t})-(e^t+e^{-t})(e^t+e^{-t})}{(e^t-e^{-t})^2}\\ &=\frac{(e^t-e^{-t})^2-(e^t+e^{-t})^2}{(e^t-e^{-t})^2}\\ &=\frac{-4}{(e^t-e^{-t})^2} \end{align}$$ よって、
$$\begin{align} \frac{d^2y}{dx^2}&=\frac{\frac{d}{dt}\left(\frac{dy}{dx}\right)}{\frac{dx}{dt}}\\ &=\frac{\frac{-4}{(e^t-e^{-t})^2}}{e^t-e^{-t}}\\ &=-\frac{4}{(e^t-e^{-t})^3} \end{align}$$
$$\begin{align} \frac{dy}{dx}&=\frac{e^t+e^{-t}}{e^t-e^{-t}}\\ \frac{d^2y}{dx^2}&=-\frac{4}{(e^t-e^{-t})^3} \end{align}$$
   
曲線$\,\left\{\array{x=cos^3θ\\y=sin^3θ}\right.\,(0\leqq θ\leqq 2π)\,$のグラフの概形をかけ。
$$\frac{dx}{dθ}=-3\,sin\,θ\,cos^2θ$$ $\frac{dx}{dθ}=0\,$となるのは、$sin\,θ=0\,$または、$cos\,θ=0\,$より、
$$θ=0,\,\frac{π}{2},\,π,\,\frac{3}{2}π,\,2π$$
$$\frac{dy}{dθ}=3\,sin^2θ\,cosθ$$ $\frac{dy}{dθ}=0\,$となるのは、$sin\,θ=0\,$または、$cos\,θ=0\,$より、
$$θ=0,\,\frac{π}{2},\,π,\,\frac{3}{2}π,\,2π$$
したがって、増減表は、
$\begin{array} {|c|cccccc|} \hline θ&0&\cdots&\frac{π}{2}&\cdots&π&\cdots&\frac{3}{2}π&\cdots&2π \\ \hline \frac{dx}{dθ}&&-&0&-&0&+&0&+& \\ \hline \textcolor{red}{x}&1&←&0&←&-1&→&0&→&1 \\ \hline \frac{dy}{dθ}&&+&0&-&0&-&0&+& \\ \hline \textcolor{red}{y}&0&↑&1&↓&0&↓&-1&↑&0 \\ \hline \end{array}$
また、

$θ=\frac{π}{4}\,$のとき、$(x,\,y)=(\frac{\sqrt{2}}{4},\,\frac{\sqrt{2}}{4})$ $θ=\frac{3}{4}π\,$のとき、$(x,\,y)=(-\frac{\sqrt{2}}{4},\,\frac{\sqrt{2}}{4})$ $θ=\frac{5}{4}π\,$のとき、$(x,\,y)=(-\frac{\sqrt{2}}{4},\,-\frac{\sqrt{2}}{4})$ $θ=\frac{7}{4}π\,$のとき、$(x,\,y)=(\frac{\sqrt{2}}{4},\,-\frac{\sqrt{2}}{4})$

よって、増減表とこれらの点からグラフの概形を考えると、
   

まとめ

グラフの書き方は覚えると面白いので覚えておいていいと思いますが1番重要なのは、$\frac{dy}{dx}$が普通に求めることができないことです。自分も最初のころは、$y=g(t)\,$を微分した$\frac{dy}{dx}=g'(t)\,$で終わりだ!簡単だ!ひゃっほい!とかやっていた気がするので気を付けてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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