定積分と面積の計算方法の違い・答えがマイナスになってもOKか?

定積分と面積の計算方法の違いのサムネ数学
この記事のまとめ

定積分と面積がどう違うのかと、

いろいろな面積の解き方を、

図と例題を多く使って具体的に説明しています。

定積分で面積を求めるときには、「分解」がキーワードになるので、それを踏まえて記事を読むと理解しやすいと思います。

“定積分と面積の違い”

について説明していますが、ここでいう「違い」とは計算方法における違いを指しています。

マイナスになるのか?ならないのか?などについてです。

もっと根本的なことを知りたい人は、

【意外と知らない】なぜ定積分で面積を求めることができるのか

を見てください。

定積分と面積の違い

“普通の定積分の計算と面積を求めるために行う定積分の計算”では、違う部分があります。

といっても、違う点は以下の1点のみで、

定積分がマイナスになるかどうかだけです。

ただの定積分を求めるために解く定積分の計算はマイナスになることがありますが、

面積を求めるために使う定積分では、マイナスになることはありません。


定積分$\,\displaystyle \int_{a}^{b}f(x)dx\,$の場合は、xで積分します。その際$\,x\,$軸より下にある部分はマイナスとして扱います。

定積分のマイナスになる範囲

このとき、定積分を求めるだけであれば、そのままマイナスとして考えますが、面積を求めるのならマイナスを付けることでプラスにします

マイナスになる範囲の扱い方


分かりやすい例を挙げるなら、$y=sin\,x\,$におけるx軸との間の定積分についてです。

定積分を求めるのか、面積を求めるかで$\,\displaystyle \int_{-π}^{π}sin\,x\,dx\,$の答えが変わります。

グラフは以下の通りです。

y=sinx

定積分を求めると、
$\quad\underline{\mathcal{ANS.}\displaystyle \int_{-π}^{π}sin\,x\,dx=0}_{//}$

面積を求めると、
$\quad\underline{\mathcal{ANS.}\displaystyle \int_{-π}^{π}sin\,x\,dx=4}_{//}$

となります。


つまり、曲線とx軸で囲まれた部分は、左右の大きさがそれぞれ2であるため、

定積分を求めると符号が逆で相殺され、面積を求めたら足し算されます。


定積分の問題では、答えがマイナスになるときもあるので例を示しておきます。

答えがマイナスになる定積分の問題

下の問題は「定積分を求めよ。」になっているので、定積分を求めるだけで面積を求めるわけではありません。

$$\begin{align}
&\quad\displaystyle \int_{-2}^{1}(x-2)(x+1)dx\\
&=\displaystyle \int_{-2}^{1}(x^2-x-2)dx\\
&=\left[\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{2}x^2-2x\right]_{-2}^{1}\\
&=-\frac{3}{2}
\end{align}$$

$\underline{\mathcal{ANS.}\large{-\frac{3}{2}}}_{//}$

例題のグラフ

面積を求めているわけではなかったので、答えがマイナスになりました。

曲線とx軸間での面積

定積分で面積を求めるときは、面積の求め方をイメージして、定積分の式を立てる必要があります。

これは、曲線とx軸間での面積を求めるときだけでなく、y軸間でも、極座標でも同じです。


面積を求めるときの定積分の式の立て方は、
【意外と知らない】なぜ定積分で面積を求めることができるのか
で詳しく説明しています。

「【意外と知らない】なぜ定積分で面積を求めることができるのか」の内容を簡単にまとめると、

  • 曲線を含む図形の面積は、面積を細かく分けて考える
  • $dx\,$や$\,dy\,,\,dθ\,$のように$\,d〇\,$は微小なものと考える
の2点で、そこから求めたい図形の面積をイメージして定積分の式を立てます。

細い長方形に分解し、横の長さは微小な長さなので$\,dx\,$、縦の長さは$\,f(x)\,$になります。

そして、$a\leqq x\leqq b\,$の範囲の長方形すべてを足し合わせたものが面積になるので、

面積$=\underbrace{\displaystyle \int_{a}^{b}}_{範囲}\underbrace{f(x)dx}_{縦×横}$

で面積を求めることができます。


1つ例題です。

次の曲線や直線とx軸で囲まれた部分の面積Sを求めよ。
$$y=e^x-1,\quad x=-1,\quad x=1$$

曲線$\,y=e^{x}-1\,$とx軸との交点のx座標は、

$$\begin{align}
e^x-1&=0\\
x&=0
\end{align}$$

よって、$y=e^x-1\,$のグラフと、求める面積は下のようになるので、

例題のグラフ

$-1\leqq x\leqq 0\,$のときx軸より下側
$0\leqq x\leqq 1\,$のときx軸より上側

になります。下側になる部分は定積分を行うとマイナスになるので、面積を求めるためにマイナスを付けプラスにします

よって、求める面積Sは、

$$\begin{align}
S&=\textcolor{red}{\mathbf{-}}\displaystyle \int_{-1}^{0}\left(e^x-1\right)dx+\displaystyle \int_{0}^{1}\left(e^x-1\right)dx\\
&=-\left[e^x-x\right]_{-1}^{0}+\left[e^x-x\right]_{0}^{1}\\
&=-\left(1-\frac{1}{e}-1\right)+\left(e-1-1\right)\\
&=\frac{1}{e}+e-2
\end{align}$$

$$\frac{1}{e}+e-2$$

間違った式 $\,S=\displaystyle \int_{-1}^{1}\left(e^x-1\right)dx$

このように、$-1\leqq x\leqq 1\,$の範囲で定積分をしてしまうと、下側の部分がそのままマイナスとしてカウントされてしまうので、

プラスにするために積分区間を分けて考える必要があります。よって、

$$S=\textcolor{red}{\mathbf{-}}\displaystyle \int_{-1}^{0}\left(e^x-1\right)dx+\displaystyle \int_{0}^{1}\left(e^x-1\right)dx$$

2曲線間の面積

2曲線間の分解

x軸との間の面積を求めたのと同様に、分解して細い長方形と考えるのは同じですが、

2曲線間の面積を求める場合は、横の長さは微小な長さなので$\,dx\,$、縦の長さは$\,\textcolor{red}{f(x)-g(x)}\,$になります。

それと、区間は$\,a\leqq x\leqq b\,$なので、

面積$=\displaystyle \int_{a}^{b}\left\{f(x)-g(x)\right\}dx$

となります。

縦の長さは、「上にある方-下にある方」で表します。

$f(x)\geqq g(x)\,$なら、$f(x)-g(x)$
$g(x)\geqq f(x)\,$なら、$g(x)-f(x)$


2曲線間の交差

2曲線間の面積を求めるとなると、線が交差する場合もあります。

その場合には、交差したら2本の線の上下が入れ替わるので縦の長さの表し方が逆になります

そのため、積分区間を分けて考える必要があります


上のグラフなら、

$a\leqq x\leqq c\,$のとき、$f(x)\geqq g(x)\,$で、
$c\leqq x\leqq b\,$のとき、$g(x)\geqq f(x)\,$なので、

よって、

面積$=\displaystyle \int_{a}^{c}\left\{\textcolor{red}{f(x)}-\textcolor{blue}{g(x)}\right\}dx+\displaystyle \int_{c}^{b}\left\{\textcolor{blue}{g(x)}-\textcolor{red}{f(x)}\right\}dx$

となります。


1つ例題です。

次の曲線や直線で囲まれた部分の面積Sを求めよ。
$$y=x^3-x^2,\quad y=2x$$

2つの曲線の交点を求めます。

$$\begin{align}
x^3-x^2&=2x\\
x^3-x^2-2x&=0\\
x(x-1)(x+2)&=0\\
x&=-1,\quad 0,\quad 2
\end{align}$$

よって、$y=x^3-x^2\,$と$\,y=2x\,$をグラフにすると、下のようになるので、

例題のグラフ

$-1\leqq x\leqq 0\,$のときは$\,y=x^3-x^2\,$が上
$0\leqq x\leqq 2\,$のときは$\,y=2x\,$が上

になります。なので、積分区間は分けて考えます

よって、求める面積Sは、

$$ \scriptsize{\begin{align}
\normalsize{S}&=\displaystyle \int_{-1}^{0}\left\{(\textcolor{red}{x^3-x^2})-\textcolor{blue}{2x}\right\}dx+\displaystyle \int_{0}^{2}\left\{\textcolor{blue}{2x}-(\textcolor{red}{x^3-x^2})\right\}dx\\
&=\displaystyle \int_{-1}^{0}\left(x^3-x^2-2x\right)dx+\displaystyle \int_{0}^{2}\left(-x^3+x^2+2x\right)dx\\
&=\left[\frac{1}{4}x^4-\frac{1}{3}x^3-x^2\right]_{-1}^{0}+\left[-\frac{1}{4}x^4+\frac{1}{3}x^3+x^2\right]_{0}^{2}\\
&=-\left(\frac{1}{4}+\frac{1}{3}-1\right)-4+\frac{8}{3}+4\\
&=\frac{37}{12}
\end{align}}$$

$$\frac{37}{12}$$

曲線とy軸間での面積

曲線とx軸との間の面積を求める場合は、求めたい面積を縦に分割して、縦に細長い長方形として考えていましたが、

y軸との間にできる面積の場合は、横に分割して、横に細い長方形として考えます。

y軸間の分解

こうすることで、縦の長さはy軸に平行で微小な大きさなので$\,dy\,$、横の長さはyの値によって決まるxの長さなので$\,g(y)\,$となります

これを、$c\leqq x\leqq d\,$の範囲の長方形すべてを足し合わせたものが面積になるので、

面積$=\displaystyle \int_{c}^{d}g(y)dy$

となります。


また、x軸のときと同様に、y軸より左側では定積分がマイナスになります。

よって、面積を求める場合は、マイナスを付けてプラスにする必要があります

y軸間でマイナスになる範囲


1つ例題です。

次の曲線や直線とx軸で囲まれた部分の面積Sを求めよ。
$$x=-y^2,\quad y=-1,\quad y=1$$

グラフの形が下のような感じになります。

例題のグラフ

$-1\leqq y\leqq 1\,$の範囲で常に$\,x\leqq 0\,$になるので、定積分にマイナスは付けますが、積分区間は特に変える必要はなさそうです。

よって、求める面積Sは、

$$\begin{align}
S&=\textcolor{red}{-}\displaystyle \int_{-1}^{1}-y^2dy\\
&=\displaystyle \int_{-1}^{1}y^2dy\\
&=\left[\frac{1}{3}y^3\right]_{-1}^{1}\\
&=\frac{2}{3}
\end{align}$$

$$\frac{2}{3}$$

まとめ

定積分を求めるだけ定積分の計算と、面積を求めるためにする定積分の計算では、

符号の付け方に違いがありました。

しかし、それ以外には違いがないとも言えるので、

どっちを解くにしても、そこまで難しく考える必要はないんじゃないかとは思います。


それと、面積を求めるときは、定積分の式を立てるときに必ず、面積を細かくした図を考え、式を作り計算すれば必ず解けます。

そのことも踏まえ、勉強すれば結構簡単に媒介変数表示・極座標で表された面積も解けるようになるでしょう。

また、もっと難易度の上がる立体の体積も解けるようになります。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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