虚数が解に含まれる時は虚数が含まない解にする必要がある

数学
マクローリン展開についてはそういうものがあるんだと思って読んでください。

二階線形微分方程式の一般解が虚数になる

二階線形微分方程式

$$y^{\prime\prime}+ay’+by=0$$

において、

$$a^2-4b<0$$

であれば、

$$y_{1}=e^{\frac{-a+\textcolor{red}{i}\sqrt{4b-a^2}}{2}x}\\
y_{2}=e^{\frac{-a-\textcolor{red}{i}\sqrt{4b-a^2}}{2}x}$$

と答えに虚数$\,\textcolor{red}{i}\,$が出てきます。

しかし、微分方程式の答えに虚数が含まれることは良しとしません。そもそも、数学において虚数が答えになることはあまりよくありません。

そこで、$y_{1}\,$と$\,y_{2}\,$を使って以下のように虚数の含まない解を求めます。

$$y_{3}=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}=e^{αx}cos\,βx\\ y_{4}=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}=e^{αx}sin\,βx$$

($α=\frac{-a}{2}\quad ,\quad β=\frac{\sqrt{4b-a^2}}{2}$)

緑枠内のように計算することで解を求めることができ、二階線形微分方程式の一般解は、

$$y=C_{1}e^{αx}cos\,βx+C_{2}e^{αx}sin\,βx$$

とすることができますが、これが一般解で本当にいいのかと、緑枠内の計算はどのようにしてやっているのかを説明します。

マクローリン展開

先に、緑枠内の計算はどのようにしてやっているのかを説明します。

マクローリン展開を使います。

マクローリン展開とは、ある関数$\,f(x)\,$において∞回微分できる関数であれば、

$$f(x)=\displaystyle\sum_{k=1}^{∞}f^{(k)}(0)\frac{x^k}{k!}$$

となることになります。

マクローリン展開を$\,sin\,x\, ,\,cos\,x\, ,\,e^x\,$について考えると、

$sin\,x=x-\frac{x^3}{6}+\cdots$
$cos\,x=1-\frac{x^2}{2}+\cdots$
$e^x=1+x+\frac{x^2}{2}+\frac{x^3}{6}+\cdots$

なので、符号を考えると、

$$e^{ix}=cos\,x+i\,sin\,x$$

となります。

$$y_{3}=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}=e^{αx}cos\,βx\\ y_{4}=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}=e^{αx}sin\,βx$$

これの計算はマクローリン展開で考えることで解くことができるようになります。

$$\begin{align}
y_{1}&=e^{(α+iβx)}\\
&=e^αe^{iβx}\\
&=e^α(cos\,βx+i\,sin\,βx)
\end{align}$$

$$\begin{align}
y_{2}&=e^{(α-iβx)}\\
&=e^αe^{-iβx}\\
&=e^α(cos\,βx-i\,sin\,βx)
\end{align}$$

よって、

$$\begin{align}
y_{3}&=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}\\
&=\frac{e^α(cos\,βx+i\,sin\,βx)+e^α(cos\,βx-i\,sin\,βx)}{2}\\
&=e^{αx}cos\,βx
\end{align}$$

$$\begin{align}
y_{4}&=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}\\
&=\frac{e^α(cos\,βx+i\,sin\,βx)-e^α(cos\,βx-i\,sin\,βx)}{2i}\\
&=e^{αx}sin\,βx
\end{align}$$

二階線形微分方程式の解にsinとcosでいい理由

$$y=C_{1}e^{αx}cos\,βx+C_{2}e^{αx}sin\,βx$$

($α=\frac{-a}{2}\quad ,\quad β=\frac{\sqrt{4b-a^2}}{2}$)

これが一般解で本当にいいのかについて説明します。

まずは、もともとの解を持ってきます。

もともとの解は、

$$y_{1}=e^{(α+iβ)x}\quad ,\quad y_{2}=e^{(α-iβ)x}$$

となっていますが、少し簡略化します。

$λ_{1}=α+iβ\quad ,\quad λ_{2}=α-iβ\,$とします。よって、

$$y_{1}=e^{λ_{1}x}\quad ,\quad y_{2}=e^{λ_{2}x}$$

$y_{1}\, ,\,y_{2}\,$を$\,y^{\prime\prime}+ay’+by\,$に代入します。

$y_{1}$を代入すると、

$$e^{λ_{1}x}(λ_{1}^2+aλ_{1}+b)=0$$

$y_{2}$を代入すると、

$$e^{λ_{2}x}(λ_{2}^2+aλ_{2}+b)=0$$

もともと、二階線形微分方程式の解だった$\,y_{1}\, ,\,y_{2}\,$を代入しているので、イコール0になります。

次に、$y_{3}=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}=\frac{e^{λ_{1}x}+e^{λ_{2}x}}{2}\,$を代入します。

$y_{3}=\frac{1}{2}(e^{λ_{1}x}+e^{λ_{2}x})\\
y’_{3}=\frac{1}{2}(λ_{1}e^{λ_{1}x}+λ_{2}e^{λ_{2}x})\\
y^{\prime\prime}_{3}=\frac{1}{2}(λ_{1}^2e^{λ_{1}x}+λ_{2}^2e^{λ_{2}x})$

よって、

$$y^{\prime\prime}+ay’+by=0$$

に代入して、式が成り立つかどうか考えます。

$$\begin{align}
&\frac{1}{2}(λ_{1}^2e^{λ_{1}x}+λ_{2}^2e^{λ_{2}x})+a\cdot\frac{1}{2}(λ_{1}e^{λ_{1}x}+λ_{2}e^{λ_{2}x})+b\cdot\frac{1}{2}(e^{λ_{1}x}+e^{λ_{2}x})\\
&=\frac{1}{2}\left\{e^{λ_{1}x}(λ_{1}^2+aλ_{1}+b)+e^{λ_{2}x}(λ_{2}^2+aλ_{2}+b)\right\}\\
&=\frac{1}{2}(0+0)\\
&=0
\end{align}$$

結果、$y_{3}=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}\,$を代入した時に0になったので、1つの解として成り立つ。よって、

$$y=\frac{y_{1}+y_{2}}{2}=e^{αx}cos\,βx$$

は解の1つとなる。

二階線形微分方程式には、解が2つ必要なので、もう1つ答えに虚数を含まない解を考える。次に、$y_{4}=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}=\frac{e^{λ_{1}x}-e^{λ_{2}x}}{2i}\,$を代入する。

$y_{4}=\frac{1}{2i}(e^{λ_{1}x}-e^{λ_{2}x})\\
y’_{4}=\frac{1}{2i}(λ_{1}e^{λ_{1}x}-λ_{2}e^{λ_{2}x})\\
y^{\prime\prime}_{4}=\frac{1}{2i}(λ_{1}^2e^{λ_{1}x}-λ_{2}^2e^{λ_{2}x})$

$$\begin{align}
&\frac{1}{2i}(λ_{1}^2e^{λ_{1}x}-λ_{2}^2e^{λ_{2}x})+a\cdot\frac{1}{2i}(λ_{1}e^{λ_{1}x}-λ_{2}e^{λ_{2}x})+b\cdot\frac{1}{2i}(e^{λ_{1}x}-e^{λ_{2}x})\\
&=\frac{1}{2i}\left\{e^{λ_{1}x}(λ_{1}^2+aλ_{1}+b)-e^{λ_{2}x}(λ_{2}^2+aλ_{2}+b)\right\}\\
&=\frac{1}{2i}(0-0)\\
&=0
\end{align}$$

結果、$y_{4}=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}\,$を代入した時に0になったので、1つの解として成り立つ。よって、

$$y=\frac{y_{1}-y_{2}}{2i}=e^{αx}sin\,βx$$

は解の1つとなる。

まとめ

特になし

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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