$x^n$の微分は、$nx^{n-1}$
$e^{x}$の微分は、$e^{x}$
高次導関数とは
関数$\,y=f(x)\,$を一回微分したら$\,f'(x)\,$になり、これを第1次導関数といい、さらにもう一度微分したものが、第2次導関数といい、
$$\begin{align}
&f^{\prime\prime}(x)\quad,\quad y^{\prime\prime}\quad,\\
&\frac{d^2}{dx^2}\left\{f(x)\right\}\,,\quad \frac{d^2y}{dx^2}
\end{align}$$
などと表します。
関数 $f(x)$
↓微分
第1次導関数 $f'(x)$
↓微分
第2次導関数 $f^{\prime\prime}(x)$
そして、微分の回数が2回ではなく、n回した場合に得られる関数のことを第n次導関数といい、
$$\begin{align}
&f^{(n)}(x)\quad,\quad y^{(n)}\quad,\\
&\frac{d^n}{dx^n}\left\{f(x)\right\}\,,\quad \frac{d^ny}{dx^n}
\end{align}$$
などで表します。
また、高次導関数の上で示した表し方について、
例えば、$f^{\prime\prime}\,$と$\,f^{(2)}\,$や、$f^{\prime\prime\prime}(x)\,$と$\,f^{(x)}\,$などは同じことを表しています。どっちの方が正しいとかはありません。
$f^{\prime\prime\prime}\,$の上に点をつける表し方は、最大でも4個とか6個ぐらいまで、つまり、第4次導関数とか第6次導関数とかまでにしておいた方がいいと思います。点の方が微分をしていると分かりやすいですが、多すぎると逆に見にくくなります。
なので、微分回数が少ない高次導関数については、点の方$\,f^{\prime\prime\prime}\,$や$\,y^{\prime\prime\prime}\,$を使い、微分回数が多くなったら、$\,f^{(n)}\,$や$\,y^{(n)}\,$を使いう方がいいです。
また、$d\,$を使った表し方$\,\frac{d^ny}{dx^n}\,$は、基本$\,n=2\,$以上で使っているのを見たことはありません。(忘れているだけかも・・・)
関数の例
2回、3回微分せよ。という回数の少ない微分なら、
$$y=x^5+x^3+2x$$
みたいな関数の問題も出てきますが、
微分回数が決まっていない、n回微分せよ。とかの問題の時は、
$e^x\quad ,\quad 三角関数 \quad,\quad \frac{1}{x^m}$
などが含まれます。これらのものは、何回微分しても微分できなくなることがないのでn回微分に使用されます。
高次導関数の解き方
$y=f(x)\,$があり、第2次導関数を求めろ。と言われれば、まず一回微分して、微分して出た$\,f'(x)\,$をもう一度微分して、$\,f^{\prime\prime}(x)\,$を求めるだけです。
ただし、第n次導関数を求めろ。なら、規則性を見つけることが重要になります。
説明しにくいので、ここからは実際に問題を解きながら説明します。
例題
回数の少ない微分について
$$\begin{align}
y&=x^5+x^3+2x\\
&\\
&\quad ↓\,微分\\
&\\
y’&=5x^4+3x^2+2\\
&\\
&\quad ↓\,微分\\
&\\
y^{\prime\prime}&=20x^3+6x\\
&\\
&\quad ↓\,微分\\
&\\
y^{\prime\prime\prime}&=60x^2+6
\end{align}$$
単純に微分を合計3回行っただけです。
例題2
第n次導関数について
第n次導関数を求めるにはまずは、何回か微分してみます。
$\textcolor{red}{y=sin\,x\,}$を
1回目:$y’=cos\,x$
2回目:$y^{\prime\prime}=-sin\,x$
3回目:$y^{\prime\prime\prime}=-cos\,x$
4回目:$\textcolor{red}{y^{\prime\prime\prime\prime}=sin\,x\,}$
5回目:$y^{(5)}=cos\,x$
微分を5回ほどやってみましたが、4回目の$\,y^{\prime\prime\prime\prime}\,$と$\,y\,$の関数が一致しています。また、5回目の$\,y^{(5)}\,$と$\,y’\,$が一致しています。

つまり、三角関数の$\,y=sin\,x\,$を微分していくと、4回微分するともとに戻り、その後はそれが繰り返されます。
よって、第n次導関数は、
4の倍数回の微分であれば$\,sin\,x\,$になり、4の倍数+1回の微分であれば$\,cos\,x\,$になり、4の倍数+2回の微分であれば$\,-sin\,x\,$になり、4の倍数+3回の微分であれば$\,-cos\,x\,$になることを表しています。
$\begin{align} &cos\,x=sin\,\left(x+\frac{π}{2}\right)\\ &-sin\,x=sin\,\left(x+π\right)\\ &-cos\,x=sin\,\left(x+\frac{3π}{2}\right)\\ \end{align}$
とそれぞれ表されるので、答えを別の書き方をすると、
数学的帰納法
第n次方程式を解いたうえで、上での解き方はあくまで予想に過ぎず、答えだけ書く問題のときなら全然ここで終わりでいいですが、途中式を書け。とかの問題の場合は、この後、予想が正しいかどうか証明する必要があります。
その時に使うのが、数学的帰納法です。
例題2の$\,y=sin\,x\,$における$\,y^{n}\,$の答えを証明します。
(1)$k=0$のとき、
$\quad 4k=0$で、$y=sin\,x\quad,$ $\quad 4k+1=1$で、$y^{(1)}=cos\,x\quad,$
$\quad 4k+2=2$で、$y^{(2)}=-sin\,x\quad,$ $\quad 4k+3=3$で、$y^{(3)}=-cos\,x\quad,$
$\quad$それぞれが成り立つので、$k=0\,$のときは、①は成り立ちます。
(2)$k=j$のとき、①が成り立つと仮定します。($y^{(4j)}\,~\,y^{(4j+3)}\,$まで、①を満たします。)
$\quad k=j+1$のとき、
$\quad y^{(4(j+1))}=(y^{(4j+3)})’=(-cos\,x)’=sin\,x$
$\quad y^{(4(j+1)+1)}=(y^{4(j+1)})’=(sin\,x)’=cos\,x$
$\quad y^{(4(j+1)+2)}=(y^{4(j+1)+1})’=(cos\,x)’=-sin\,x$
$\quad y^{(4(j+1)+3)}=(y^{4(j+1)+2})’=(-sin\,x)’=-cos\,x$
$\quad$となり、$k=j+1$のときも①が成り立ちます。
よって、(1),(2)より、0以上のすべての整数$\,k\,$に対して、①が成り立ちます。
とこんな感じに、数学的帰納法を実際はしないといけないですが特にいいでしょう。
数学的帰納法について、知っていれば、誰でもできますし、知らなければここで中途半端に説明してもあれなので、このページでは、これで数学的帰納法についての説明はは終わります。
練習問題
1回目:$2e^{2x}$
2回目:$4e^{2x}$
3回目:$8e^{2x}$
4回目:$16e^{2x}$
つまり、微分しても$\,e^{2x}\,$はなくならず、1回微分するごとに2倍されていきます。よって、
1回目:$-x^{-2}$
2回目:$2x^{-3}$
3回目:$-6x^{-4}$
4回目:$24x^{-5}$
つまり、1回微分するごとに$-1$倍されていき符号が$+$と$-$で交互になっています。また、符号を気にしなければ、「2回目」では1回目の”2倍”になっていて、「3回目」では2回目の”3倍”になっていて、「n回目」では(n-1)回目の”n倍”になると分かります。よって、
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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