今回は、賭博罪について解説します。
カジノ好きからすると賭博罪については無視できないと思い、
賭博罪について刑法の条文を読んでまとめました。
賭博罪の基本(条文)

賭博罪は刑法に含まれます。
刑法に書かれてあった賭博罪の項目は、第185条~第187条の3条です。
まずは、賭博罪に該当する3条の全文とそれぞれの意味について紹介します。
第百八十五条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
引用:e-gov法令検索
これは、前半部分の「~処する。」までで、賭博は1度でもしたら罰金があるということが書いてあります。
後半部分は、賭博に含まれない例外について書かれていて、後程詳しく説明しますが、誰が奢るかを決めるジャンケンなどのゲームは賭博にならないということが書いてあります。
第百八十六条 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
引用:e-gov法令検索
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
これは、上の文の「~処する。」までで、賭博を継続的にしていたら身柄を拘束するということが書いてあります。
これを常習賭博というのですが、常に賭博をしている人と、1回もしくは数回だけ賭博をした人との刑罰を区別するために存在しています。
2は、賭博をできる場所を提供してはならないということが書いてあります。
第百八十七条 富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
引用:e-gov法令検索
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。
これは、宝くじは「発売」「発売の手助け」「受け渡し」はしてはいけないということが書いてあります。
これが賭博罪の全部です。
ここまで見たら、じゃあ 競馬は? 競輪は? 宝くじは犯罪なの? とか色々疑問が出てきますが、
そこら辺については、次の章の「違法にならないようなギャンブル」で説明します。
違法にならないようなギャンブル

この章では、以下の2つの賭博罪にならないことについて説明します。
- 友達同士などでジャンケン等をして何かを奢り合うこと
- 公営ギャンブル(競馬, 宝くじ等)について
友達との奢りを賭けたゲームは、賭博罪になる?

例えば、ご飯を友達と食べに行った時にジャンケンで奢る人を決めたり、
自販機の前でジュースを誰が誰に奢るかを何かしらのゲームで決めたりなど
間接的にお金が関わる賭博のようなゲームは賭博罪に該当するのかですが、
結論から言うと、賭博罪に該当しません。
それが書いてある部分が、前章でも引用した第185条の下の一文です。
ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
引用:e-gov法令検索
これを簡単に説明すると、「その場でお金が無くなるような賭け事は、賭博にはならない」という意味です。
勝ったととしても、お金が手元に残らないような賭けは、賭け事ではないってことです。
そのため、奢るとなるとジャンケンで勝ったとしても、飲食をした店側にお金は渡されるため、自分の手元には一銭も残らず、賭博とは言えないわけで、
賭博でなければ、賭博罪に該当せず、罰金などを払う必要はないということです。
ただし、金など金銭的価値のある物で、このようなことをした場合には、賭博罪になる可能性は大いにあります。
金は、お金として扱うみたいなことが、法律に書いてあれば、バッチリ賭博罪に当てはまることになるので気を付けてください。
公営ギャンブルは、賭博罪になる?

公営ギャンブルとは、競馬, 競輪, オートレース, ボートレース(競艇), 宝くじ があります。
これらの公営ギャンブルで、お金を賭けたとしても賭博罪には該当しません。
理由としては、刑法に書かれている以下の一文が関わってきます。
第三十五条 法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
引用:e-gov法令検索
これがあることで、正当な業務である公営ギャンブルでお金を賭けてもいいわけです。
公営ギャンブルは、正当な業務なのか?ってところですが、
それに関しては以下にまとめている通り、それぞれの公営ギャンブルはそれぞれの法律によって、正当であるという風になっています。
公営ギャンブルの種類 | 該当する法律 |
競馬 | 競馬法 |
競輪 | 自転車競技法 |
オートレース | 小型自転車競技法 |
ボートレース(競艇) | モーターボート競争法 |
宝くじ | 地方財政法第32条 , 当せん金付証票法 |
ただし、そもそもが法律違反で運営されている賭博であった場合には、それを知らずに賭けたとしても賭けてしまっている以上、
賭博罪になってしまう可能性があるので、とりあえず有名な競馬や宝くじで遊ぶようにしましょう。
賭博罪の時効

賭博罪は刑法に含まれ、
刑法の時効は、以下の通り第32条に書いてあります。
第三十二条 時効は、刑の言渡しが確定した後、次の期間その執行を受けないことによって完成する。
引用:e-gov法令検索
一 無期の懲役又は禁錮については三十年
二 十年以上の有期の懲役又は禁錮については二十年
三 三年以上十年未満の懲役又は禁錮については十年
四 三年未満の懲役又は禁錮については五年
五 罰金については三年
六 拘留、科料及び没収については一年
賭博罪による刑罰は、50万円以下の罰金又は科料なので、時効は三年、
もしくは常習賭博であれば、三年以下の懲役なので、時効は十年
だと考えられます。
賭博罪の年間検挙人数

最後に、警察庁に載っていた賭博罪の検挙数について紹介します。
年度 | 認知件数 | 検挙件数 | 検挙人員 |
R元 | 267 | 255 | 452 |
H30 | 124 | 165 | 602 |
H29 | 198 | 171 | 637 |
H28 | 365 | 361 | 725 |
H27 | 270 | 225 | 923 |
令和元年には、452人が検挙されています。
参考にした記事
e-gov法令検索「刑法」
e-gov法令検索「競馬法」
e-gov法令検索「自転車競技法」
e-gov法令検索「小型自動車競走法」
e-gov法令検索「モーターボード競走法」
e-gov法令検索「地方財政法第三十二条に規定する事業を定める省令」
e-gov法令検索「当せん金付証票法」
警察庁「刑法犯に関する統計資料」
令和元年の刑法犯に関する統計資料
刑事事件弁護士ナビ「賭博で逮捕されるケース|罪の重さと逮捕までと逮捕後の流れ」
オンカジキャッシュ必勝ガイド「公営ギャンブルの種類一覧」
最後までお読みいただきありがとうございました。
