$$y=\pm \frac{b}{a}x$$
双曲線の漸近線

$$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1$$
$$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1$$
漸近線の式は、
※導出方法
双曲線の漸近線は、上の公式を使用することで求められます。
具体例で説明します。
まずは、双曲線の方程式の標準形にします。
問題の式を36で割って、
$$\frac{x^2}{4}-\frac{y^2}{9}=1$$
$4=2^2 , 9=3^2$なので、
$$\frac{x^2}{2^2}-\frac{y^2}{3^2}=1$$
よって、$a=2 , b=3$。
漸近線の式 $y=\pm \frac{b}{a}x$ に代入して、
$$y=\pm \frac{3}{2}x$$
練習問題
第1問
$$\frac{x^2}{4^2}-\frac{y^2}{1^2}=1$$
よって、$a=4 , b=1$。
漸近線の式 $y=\pm \frac{b}{a}x$ に代入して、
$$y=\pm \frac{1}{4}x$$
第2問
$$\frac{x^2}{\sqrt{2}^2}-\frac{y^2}{3^2}=-1$$
よって、$a=\sqrt{2} , b=3$。
漸近線の式 $y=\pm \frac{b}{a}x$ に代入して、
$$y=\pm \frac{3}{\sqrt{2}}x$$
有理化して、
$$y=\pm \frac{3\sqrt{2}}{2}x$$
双曲線の方程式の導出方法(双曲線とは)
双曲線とはこんな形の関数のことを指します。
もうちょっと詳しく説明していきます。
そのために、少し遠回りにはなりますがまず楕円を考えます。楕円から考えていく理由は、楕円の方がとっつきやすいかな?と思うからです。

楕円は焦点が2つあります。その焦点をF(エフ)、F’(エフダッシュ)とします。
その、F、F’からの距離の和が一定であるような点の軌跡が楕円になります。(この点をPとする。)
これを式にすると、
PF+PF’=(一定)
とこうなります。
ここからみんながよく知った
$$\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1$$
この式が導かれます。(ここでは導出はしません。)
双曲線は楕円とちょっと違うだけ

上にも書きましたが、楕円は、PF+PF’=(一定)、です。
それに対して、双曲線は、
|PF-PF’|=(一定)
特定の点Pが、PFとPF’の差が一定になるときの軌跡が双曲線の形です。
このことから、双曲線の方程式の標準形を導くことができます。
$$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1$$
$$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1$$
導出方法が知りたい人はクリックを押してください。

アルファベット、$a,r,x,y$は上の図が示す各点の座標です。
点$A$の位置から|PF($a+r+a$)-PF'($r$)|=$2a$であることが分かります。よって、
$\left|\sqrt{(x-r)^2+y^2}-\sqrt{(x+r)^2+y^2}\right|=2a$
絶対値を外して、
$\sqrt{(x-r)^2+y^2}-\sqrt{(x+r)^2+y^2}=\pm 2a$
$\sqrt{(x-r)^2+y^2}=\pm 2a+\sqrt{(x+r)^2+y^2}$
両辺2乗して、
$(x-r)^2+y^2=4a^2\pm 4a\sqrt{(x+r)^2+y^2}+(x+r)^2+y^2$
ルートの中身以外を展開して、整理して、
$-4xr-4a^2=\pm 4a\sqrt{(x+r)^2+y^2}$
両辺を4で割って、
$-xr-a^2=\pm a\sqrt{(x+r)^2+y^2}$
両辺2乗して、
$x^2r^2+2xra^2+a^4=a^2{(x+r)^2+y^2}$
$x^2r^2+2xra^2+a^4=x^2a^2+2xra^2+r^2a^2+y^2a^2$
整理して、
$x^2(r^2-a^2)-y^2a^2=a^2(r^2-a^2)$
ここで、$a^2(r^2-a^2)$で両辺を割ってあげると、
$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{r^2-a^2}=1$
最後に$b^2=r^2-a^2$として、
$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1$
($\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1$)
上のはグラフの形的に左右でしたが、今度のグラフは上下になります。
$\left|\sqrt{(y-r)^2+x^2}-\sqrt{(y-r)^2+x^2}\right|=2a$
$x$と$y$が入れ替わっただけなので、同じように解いていけば、
$\frac{y^2}{a^2}-\frac{x^2}{b^2}=1$
となって、
$\frac{x^2}{b^2}+\frac{y^2}{a^2}=-1$
となります。
また最初の段階で、$a$のところを$b$として、$a^2=r^2-b^2$のように$a$と$b$を逆にしておけば、
$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1$
漸近線の導出方法

漸近線の式がなぜ
$$y=\pm \frac{b}{a}x$$
こうなるのか説明します。
今回は「双曲線の漸化式は、原点を通る」ことは証明せずに使用することにします。
よって、方程式の形としては、
$$y=cx$$
となると仮定でき、結論としては、$\large{c=\pm \frac{b}{a}}$となればいいわけです。
そこで、これを使用します。
$$c=\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\frac{f(x)}{x}$$
で求めることができます。
解説
曲線f(x)を無限に伸ばしていけば、ほぼ直線になると考えます。
そのため、無限に伸ばした後のf(x)は
$$f(x)=cx$$
と考えることができますね。よって、傾きcを求めると、
$$c=\frac{f(x)}{x}$$
となります。あくまで、これはxを無限に飛ばした場合なので、$\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}$を付け足して、
$$c=\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\frac{f(x)}{x}$$
双曲線で実際に使ってみます。
まず、$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1$を、”$y=$”の形に直します。
$$y=\pm \frac{b}{a}\sqrt{x^2-a^2}$$
よって、$c=\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\frac{f(x)}{x}$は、
$$c=\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\frac{\pm \frac{b}{a}\sqrt{x^2-a^2}}{x}$$
ここで、$\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}x^2-a^2=x^2$なので、(xを無限に大きくしていけば、aは考えなくていいほど小さな値になる)
$$\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\sqrt{x^2-a^2}=\sqrt{x^2}=x$$
よって、最初の式は
$$\begin{align}
c&=\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\frac{\pm \frac{b}{a}\sqrt{x^2-a^2}}{x}
\\\\&=\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\frac{\pm \frac{b}{a}x}{x}
\\\\&=\displaystyle\lim_{x→\pm \infty}\pm \frac{b}{a}
\\\\&=\pm \frac{b}{a}
\end{align}$$
$c=\pm \frac{b}{a}$と分かったので、双曲線の漸近線の方程式の標準形が、$y=\pm \frac{b}{a}x$と分かりました。
この方法は、双曲線以外の漸近線を求めるときにも使用できます。また、上の解説では、実際には不十分な点もあります。
他のページでもっと詳しい漸近線の求め方を紹介しています。ぜひ見て見てください。

まとめ
$$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1$$$$\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1$$
どちらの場合でも、双曲線の漸近線の式は、
$$y=\pm \frac{b}{a}x$$
最後まで読んでいただきありがとうございました。
漸近線に詳しくなりたい人はこれもご覧ください。


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