フーリエ変換の基礎(フーリエ級数展開)のまとめ

フーリエ級数展開のサムネ大学数学

この記事では、フーリエ級数展開について解説します。

フーリエ級数展開は、厳密にはフーリエ変換ではなく、フーリエ変換を行う前の準備段階のようなものです。

全体的に例題を使って解説しているので、初めて勉強する人にも分かりやすくなっています。

フーリエ級数展開とは

フーリエ級数展開とは

周期的な関数を$sin$関数と$cos$関数を使って表すことです。

例えば、区間$π$ごとに、$1$と$-1$を交互になるような周期的なグラフがあるなら

区間πごとに1と-1になる周期性のあるグラフ

このグラフと同じ形になるグラフを$sin$と$cos$で表します。

のちのち計算方法は紹介するとして、まずはイメージを付けてもらいたいので、以下に答えを示します。

$$\begin{align} f(x)&=\frac{4}{π}\displaystyle\sum_{k=1}^{∞}\frac{1}{n}sin\,nt\quad (n\scriptsize{は奇数}\normalsize{)}\\[7px] \scriptsize{もしくは、}\quad &=\frac{4}{π}(sin\,x+\frac{1}{3}sin\,3x+\cdots) \end{align}$$

この答えからグラフを作成すると、

$$f(x)=\frac{4}{π}sin\,x$$

4/πsinxのグラフ

$$f(x)=\frac{4}{π}(sin\,x+\frac{1}{3}sin\,3x)$$

4/π(sinx+1/3sin3x)のグラフ

$$f(x)=\frac{4}{π}(sin\,x+\frac{1}{3}sin\,3x+\cdots+\frac{1}{9}sin\,9x)$$

4/π(sinx+1/3sin3x+・・・1/9sin9x)のグラフ

$$f(x)=\frac{4}{π}(sin\,x+\frac{1}{3}sin\,3x+\cdots+\frac{1}{199}sin\,199x)$$

4/π(sinx+1/3sin3x+・・・1/199sin199x)のグラフ

Σシグマにおいて、無限個足すことは事実上不可能なので、途中までの199までを足したグラフを作りましたが、それでも、

区間$π$ごとに、$1$と$-1$を交互になるような周期的なグラフになっていることが分かると思います。

つまり、フーリエ級数展開とは、 $$f(x)=\frac{4}{π}\displaystyle\sum_{k=1}^{∞}\frac{1}{n}sin\,nt\quad(n\scriptsize{は奇数}\normalsize{)}$$ このような形の式を求めることを指します。

フーリエ級数展開の解き方

フーリエ級数展開では、公式を使います。

フーリエ級数展開の公式

$$\frac{1}{2}a_{0}+\displaystyle\sum_{n=1}^{∞}(a_{n}cos\,\frac{2π}{T}nx+b_{n}sin\,\frac{2π}{T}nx)$$

上記の式をフーリエ級数といい、その中の$a_{0},\,\,a_{n},\,\,b_{n}$はフーリエ係数と言います。

フーリエ係数の公式は以下の通りです。

$$\scriptsize{\begin{align} a_{0}&=\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}f(t)dt\\[5px] a_{n}&=\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}f(t)cos\,\frac{2π}{T}nt\,dt\\[5px] b_{n}&=\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}f(t)sin\,\frac{2π}{T}nt\,dt \end{align}}$$

フーリエ係数を計算してフーリエ級数の式を作ることをフーリエ級数に展開するといいます。

文字が多いため難しそうに見えますが、やることは積分だけなので、実際にはそこまで難しくありません。

また、$T$は周期の長さを表していて、周期が$2π$のときは、$\frac{2π}{T}=1$になります。

例題

次の関数のフーリエ級数展開を求めてください。

区間πごとに1と-1になる周期性のあるグラフ

このグラフを数学的に式で表すと以下のようになるので、問題内容は以下の$f(t)$をフーリエ級数展開してくださいという意味になります。

$$f(t)=\left\{\begin{align}1\quad&(0\leqq t<π)\\-1\quad&(π\leqq t<2π)\end{align}\right.\\[30px] \scriptsize{ただし、}\\\scriptsize{f(t)=f(t+2π)}$$

※「ただし、」の後の数式は、周期関数であるということを表すだけのものなので無視して大丈夫です。

公式に当てはめる前に、周期について確認します。

この関数$f(t)$の周期は、$2π$です。

よって、$T=2π$となります。

周期の確認もできたので、公式に当てはめ解いていきます。

$$\begin{align} a_{0}&=\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}f(t)dt\\[7px] &=\frac{2}{2π}\displaystyle \int_{0}^{2π}f(t)dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\displaystyle \int_{0}^{π}1\cdot dt+\frac{1}{π}\displaystyle \int_{π}^{2π}-1\cdot dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\left[t\right]_{0}^{π}+\frac{1}{π}\left[-t\right]_{π}^{2π}\\[7px] &=\frac{1}{π}(π-0)-\frac{1}{π}(2π-π)\\[7px] &=\color{red}{0} \end{align}$$

$a_{0}$が解けました。あとの$a_{n},\,\,b_{n}$も同じように公式を使って解きます。

計算は難しくないですが、計算量が少し多いです。

$$\begin{align} a_{n}&=\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}f(t)cos\,\frac{2π}{T}nt\,dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\displaystyle \int_{0}^{2π}f(t)cos\,nt\,dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\displaystyle \int_{0}^{π}1\cdot cos\,nt\,dt+\frac{1}{π}\displaystyle \int_{π}^{2π}-1\cdot cos\,nt\,dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\left[\frac{1}{n}sin\,nt\right]_{0}^{π}+\frac{1}{π}\left[-\frac{1}{n}sin\,nt\right]_{π}^{2π}\\[7px] &=\frac{1}{nπ}(sin\,nπ-sin\,0)-\frac{1}{nπ}(sin\,2nπ-sin\,nπ)\\[7px] &=\frac{1}{nπ}(0-0)-\frac{1}{nπ}(0-0)\\[7px] &=\color{red}{0} \end{align}$$

$$\begin{align} b_{n}&=\frac{2}{T}\displaystyle \int_{0}^{T}f(t)sin\,\frac{2π}{T}nt\,dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\displaystyle \int_{0}^{2π}f(t)sin\,nt\,dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\displaystyle \int_{0}^{π}1\cdot sin\,nt\,dt+\frac{1}{π}\displaystyle \int_{π}^{2π}-1\cdot sin\,nt\,dt\\[7px] &=\frac{1}{π}\left[-\frac{1}{n}cos\,nt\right]_{0}^{π}+\frac{1}{π}\left[\frac{1}{n}cos\,nt\right]_{π}^{2π}\\[7px] &=-\frac{1}{nπ}(cos\,nπ-cos\,0)+\frac{1}{nπ}(cos\,2nπ-cos\,nπ)\\[7px] &=-\frac{1}{nπ}(cos\,nπ-1)+\frac{1}{nπ}(1-cos\,nπ)\\[7px] &=\color{red}{\frac{2}{nπ}(1-cos\,nπ)} \end{align}$$

$n$が偶数のときは$cos\,nπ=1$、$n$が奇数のときは$cos\,nπ=-1$となるため、

$$b_{n}=\left\{\array{0&(n\scriptsize{が偶数のとき}\normalsize{)}\\\frac{4}{nπ}&(n\scriptsize{が奇数のとき}\normalsize{)}}\right.$$

よって、3つとも解けたので、フーリエ級数に代入します。

$$\begin{align} &\hspace{1.3em}\frac{1}{2}a_{0}+\displaystyle\sum_{n=1}^{∞}(a_{n}cos\,\frac{2π}{T}nx+b_{n}sin\,\frac{2π}{T}nx)\\[7px] &=\displaystyle\sum_{n=1}^{∞}\frac{4}{nπ}sin\,\frac{2π}{2π}nx\\[7px] &=\color{red}{\underline{\frac{4}{π}\displaystyle\sum_{n=1}^{∞}\frac{1}{n}sin\,nx\quad(n\scriptsize{は奇数}\normalsize{)}}_{//}} \end{align}$$

答えを求めることができました。

補足

例題の答えですが、Σを使っているのに(nは奇数)とか書いているのは、おかしく、テストとかだと確実に間違いになるので、最後に下記のように書き換えましょう。

$$\begin{align} &\hspace{1.3em}\frac{4}{π}\displaystyle\sum_{n=1}^{∞}\frac{1}{n}sin\,nx\quad(n\scriptsize{は奇数}\normalsize{)}\\[7px] &=\underline{\frac{4}{π}\displaystyle\sum_{k=1}^{∞}\frac{1}{2k-1}sin\,(2k-1)x}_{//} \end{align}$$

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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